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ジャーナリスト、山本節子の環境問題のブログです。テーマは農薬、化学物質、環境汚染。特に今、ワクチン、GMO、放射性廃棄物、再エネ問題と格闘中。連絡はコメント欄(非公開)か、hanghau*hotmail.comからどうぞ(*を@に変えてね)。
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厚木爆音訴訟、住民敗訴

 風力とは直接関係しませんが、重要なニュースが入っているので再エネのカテゴリーに投稿しておきます。

 騒音に苦しめられている米軍基地住民の訴えを、この国の裁判所(特に最高裁)は認めようとしません。

 

厚木基地騒音訴訟 自衛隊機飛行差し止め請求棄却 最高裁

毎日新聞20161281515(最終更新 1290917)

厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民約7000人が米軍機と自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を国に求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は8日、自衛隊機の夜間・早朝の飛行禁止を命じた2審判決を破棄し、住民側の差し止め請求を棄却した。飛行差し止めについては住民側の逆転敗訴が確定した。2審判決のうち、過去の騒音被害に対する国の賠償を約82億円とした部分は既に確定していた。1、2審は米軍機飛行差し止めの請求は退けたものの、全国で初めて自衛隊機の飛行差し止めを認めたため、最高裁の判断が注目されていた。小法廷は、2審が今月末までの将来分の損害賠償として約12億円の支払いを認めた部分も破棄した。過去分の騒音被害を金銭で救済する従来の司法判断の枠組みに後退する内容となった。周辺住民らは当初、民事訴訟を起こし、騒音被害に対する損害賠償と米軍機、自衛隊機の飛行差し止めを求めていた。最高裁は1993年2月の1次訴訟判決で、差し止め請求を退ける一方で国の賠償責任を認め、全国の基地訴訟で賠償によって被害救済を図る司法判断が定着した。一方、93年判決は自衛隊機の運航が「防衛庁長官(当時)の公権力の行使に当たる」との判断を示し、行政訴訟であれば差し止めが認められる可能性を残した。このため住民側は4次訴訟で民事訴訟とともに初めて行政訴訟を起こした。米軍機に対する差し止め請求は却下されたが、1、2審で自衛隊機の夜間、早朝の飛行禁止が認められた。 小法廷は、飛行禁止時間の延長を求める住民側と、差止めの取り消しを求める国側の双方の上告を受理。審理対象を自衛隊機の差し止め部分に限定し、2審の結論見直しに必要な弁論を開いた。

 国は「米軍機の騒音を被害に含めるのは誤りだ」と主張。自衛隊の活動には公共性があり、夜間・早朝の飛行も防衛相の裁量権の範囲内にあるとした。一方、原告弁護団は「睡眠障害などの健康被害は金銭では回復できない。2審判決は深刻な被害を解消する第一歩」と強調。原告の住民は「爆音にさらされる状況は今も変わらない。飛行差し止めを認め、裁判を終わらせてください」と訴えていた。 今回は、基地の騒音を巡る行政訴訟で初の最高裁判決となった。【島田信幸】

 

 ほんとにひどい判決です。去年の二審判決で、「流れが変わった」と思ったのもつかのま。最高裁は戦争できる国に向けてひた走る安部政権のサポートに回ったのです。ま〜、今度に限ったことじゃないけど。

 神奈川県は沖縄に次いで米軍基地の県です。その中心は横須賀軍港と厚木海軍飛行場(厚木基地。綾瀬市、大和市、海老名市にまたがる)は、海自と米海軍が共同使用しているため、多くの航空機が日常的に離発着しています。厚木の騒音は横須賀港に米空母が入港する時、さらに激化します。それは空母艦載機は入港中の空母に発着艦できないため、入港前に洋上から厚木基地へ飛来し、出港後には洋上の空母に帰艦すること、またその間の活動も厚木基地を拠点とするからです。現在、横須賀を母港としているのが「原子力空母ロナルド・レーガン」であることも要注意。この空母はフクイチ事故直後、なぜか福島県の沖合いに急行して放射能を浴びた汚染空母(おそらく汚染を恐れて日本におっぱらった)で、何人もの水兵が放射線障害を受け、あるいは死亡していることから、訴訟が起こされています(その件で小泉元首相ー横須賀出身ーが空涙を流したのは有名な話)。

 さて、その米軍航空機に関しては、地元の自治体は何の権限もありません。以下は神奈川県のサイトから。強調山本。

「県をはじめとする地元自治体は、米軍機の飛行に関する許可や管制の権限などを有していません。また、米軍は運用上の理由から、飛行計画や経路などを明らかにしていないため、飛行情報を入手するのは困難な状況にあります。(例外として、NLP(夜間連続離着陸訓練)は実施の一週間程前に、防衛省から関係自治体に対して通告がなされることが通例となっています。)

飛行時間は、日米の政府間合意「厚木飛行場周辺の航空機の騒音軽減措置」(昭和38年9月合意)で、22時から翌朝6時までは原則的に禁止されています。飛行高度は、日本の航空法で定められている最低安全高度の直接的な適用はありませんが、日米両国政府間で「日本の法令を尊重し、国際民間航空機関や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いる」ことが合意されています。そのため、人または家屋の密集している地域の上空にあっては、当該航空機を中心として水平距離600メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から300メートルの高度となっています。

「厚木基地には昭和30年代から、米海軍のジェット機が飛来するようになり、騒音問題が表面化しました。特に、昭和57年2月から厚木基地において空母ミッドウェー艦載機による夜間連続離着陸訓練(NLP)が始められ、騒音は一層激化しました。平成5年、米側に東京都小笠原村硫黄島の訓練施設が提供されて以降、近年ではNLPのほとんどが硫黄島で実施されています。最近では、NLPそのものによる騒音ではなく、その前後や日常的な訓練による騒音に対する苦情が多く寄せられています。

 強調部分にご注意。夜間飛行の禁止は政府間で「合意」されているにもかかわらず、米軍は(海自も)それを守らず、NLPをくりかえし、その後も裁判に訴えてようやく認められたことがわかります。こうして占領国・アメリカはずっと法令遵守義務に違反してきたのに、日本は文句をつけるどころか、住民の不満を押さえつけてきたわけ。どういう国だろうね、まったく。もっとひどいのが裁判所で、米軍の飛行差し止めについては1審でも2審でも「国の行政処分ではない」としていますが、これは米軍がやることは、国家権力をもってもとめられない、裁判所は米軍に関する件は判断できないし、したくないという意味で、実態上も、日本は完全に米軍の支配下にあることを示しているのです。少し前、メディアは若者たちの「民主主義を守れ」という運動を大報道していましたが、あれもやらせ。日本にはそれっぽい制度があるだけで、まだ守るべき民主主義はないのよ。他国、しかも世界最大の戦争中毒国に喜んで国土を提供しているような国に民主主義などありえないのは当たり前です。なお、この記事では書きませんが、航空機騒音も低周波を発生させており、住民の被害は複合的なもののはずです。爆音を阻止しようと思えば、基地をなくす運動をしないとね。2016,12,10

 

 山本の別ブログの関連記事⇒ 沖縄の「北部(戦争)訓練場」返還のニュースのウラ (12/08)

 爆音を動画で⇒厚木飛行場 周辺地域の航空機の爆音被害 - YouTube(34秒)

 その厚木に飛来する軍用機のカタログあり⇒主な航空機 - 厚木爆同

 怒りの原告団のサイトはこちら⇒第四次厚木爆音訴訟原告団
 騒音問題への意見のあて先はここ⇒県及び関係機関連絡先
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トランプは風力発電が大嫌い

 アメリカ次期大統領のドナルド・トランプ氏は大の風力発電嫌いだという話。できれば今後、再エネ見直しにつなげてほしいところですが・・・

 以下は英BBCの11月22日付けニュースの概略(原文:http://www.bbc.com/news/uk-scotland-north-east-orkney-shetland-34471449)

***

 NYを訪れたイギリスの二人の政治家、Nigel Farageと Andy Wigmore(二人ともBrexit-EU脱退の中心人物)は、次期大統領トランプ氏と会談した際、風力発電について語ったと述べた。

「彼は美しいスコットランドの風景を傷つけている『恐ろしい』風車が大嫌いだ」「今のような風車建設のやりかたに反対するキャンペーンをすべきだとも言った」「彼は風車に対していわれのない恐怖を感じているー風車が大嫌いなんだ。そしてこうも言っていたよ。『窓から外を見て、そんな風車が見えるとまったく腹が立つ。これをなんとかしなければならない。海に建てればいいだろう。なぜ美しい田舎の景観をダメにするんだ』と」。

 ニューヨークタイムズ紙が、この問題について議論があったかどうかた尋ねたところ、トランプも「この問題を取り上げるた」と答えた。

ウィグモア氏によると、トランプは、スコットランドを「世界で一番美しい国」と評し、そこを「醜い風車で傷つけ」て欲しくないと述べたという。

トランプ氏はスコットランドにメニーゴルフリゾートを所有しているが、その近くの海岸に計画されていた11基の海上風車計画が、ゴルフコースの景観を傷つけるとして差し止めの訴訟を起こしていた。しかし二つの下級審で敗訴し、上訴していたが、2015年12月、最高裁は氏の訴えを全員一致で退けた。

 風力に関するこの論議について、WWFスコットランドの代表ランド・バンクスは「彼はもっとはるかに重要な問題を抱えていると思っていた」「現実は、海上風力発電は、イギリスの電力供給にすでにかなりの貢献をしている。それに、スコットランドはヨーロッパの海上風力資源の四分の一を占めていることを考えると、このクリーンパワーをもっともっと目指すべきなのだ」と述べた。

***

 トランプが風車建設に反対して訴訟を起こしたのは2011年のこと。資産価値の目減りを心配する企業経営者としては、ごく当然の態度でしょう。風車の実態については今後勉強してもらうとして、問題は最後の段落のWWFの発言です。現地のWWFは、風力発電反対どころか、大推進派なわけ。 WWF(Wolrd Wild Fund、世界自然保護基金)は世界最大規模の自然保護NGOとして有名ですが、実際は企業の隠れ蓑になっており、「目的は自然保護ではなく自然破壊」とまで言われているほどです。日本のWikipediaにさえ↓のような説明があります。

ドイツ人ジャーナリストであるヴィルフリート・ヒュースマンドイツ語版は2012年、世界各地での取材に基づき、WWFの暗部を告発する著書『WWF黒書―世界自然保護基金の知られざる闇』を出版した[39]。この本によれば、WWFはモンサントコカコーラシェブロンなどの世界的な多国籍企業から巨額の資金援助を受けており、それらの企業の利益のために、自然保護よりもむしろ自然破壊に関与している、という。また、WWFは一般市民や企業からの寄付金の使途について、8%が管理費用に使われ、他の多くの部分は活動費(project expenses)等に使用されていると称している。しかし、この「活動費」の中には有給スタッフの人件費が隠されている。実際にWWFは5,000人もいる正規スタッフへの給与だけで寄付金の50%を食い尽くしており、特に幹部クラスの報酬は非常に高く、WWF-USAのトップの年収は50万5000ドル(約6,000万円)にものぼるという[e 22] [40]

WWFはこの『WWF黒書』に対して発売差し止め訴訟を行ったが、結局差し止めはできず、一部WWF側の主張に応じた修正を経た上で、ドイツ語版の他、英語訳・日本語訳などが出版された[e 23][e 24][39]

 ま〜、これまた「自然保護」と名がつけば人は簡単にだまされるという例ですが。思い起こせば、「地球温暖化問題」の当初から、再エネ・自然エネの導入を主張し、市民をだまくらかす役を担ってきたのが、WWFやFOE、GPなど世界的な自然保護団体でした。いまや、CO2−人為的温暖化説は、多くの科学者の反対を無視して実行された「政治的詐欺」だったことが明らかになっており、だから、いつのまにか「温暖化」という言葉をやめて、「気候変動」なんて言いだしているのです。

 WWFの場合、もともと「野生生物の保護」を掲げていたため、野生生物の虐殺・拷問機械というべき「風車」を推進するのは罪が重い。

 風車の巨大な翼は多くの鳥類(特に大型猛禽類)を切り刻んでいます。鳥類の被害を「バードストライク(衝突)」と称しているのは、おそらく血なまぐさい被害の現実を覆い隠すためでしょう。ネットには真っ二つに割られた鳥類の体や、首がちょんぎれたカモメの写真など、残酷な写真がたくさんあるので、検索してみてください。したがって、野生生物を保護するして寄付を集めながら、実際はその殺戮を手助けしているWWFの行動は詐欺にあたり、私が会員なら訴えますけどね。

 また、「発電に貢献した」とありますが、実際はどうでしょう。イギリスでは、政府が風力や自然エネへの補助金をつぎ込んだ結果、電気料金が高騰し、世論調査によると、38パーセントの家庭が電気料金の高騰のために食料費を削ったりしており、59パーセントの家庭が、将来、電気料金を払えるかどうか不安を感じているそうです。それ以前に、自然エネは稼働中もずっと火力などの安定電源のサポートが必要で、「自然エネだけで電力供給」というのは幻想に過ぎません。この点に関する話題もいろいろあるけど、それはまた今度。2016.12.7

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封印された低周波音被害

 前記事でもちらりと書きましたが、公害の時代(主に1970年代)、「低周波音被害」は国会で大きな論議になるほど、広く認知されていました。たとえば、53年の第085回参議院公害対策環境保全特別委員会では、沓脱タケ子議員がこの問題を厳しく追及しています。以下、ごく一部を抜粋、編集して掲載します。原文は:http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/085/1570/08511071570001a.html
沓脱タケ子君 ・・・西名阪高速道路が通っている香芝町住民の健康被害が出ています。たとえば40歳の奥さんはここ数年の間に73キロの体重が14キロもやせ頭が痛い、吐き気がある、動悸がする、去年11月には失神し、約50日間車いすで生活をしなければならなくなった、やっと最近は歩いておられますが。別の方は寝たり起きたり。食欲がなくて、頭痛が激しく、吐き気がひどい。道路に近い薬局の奥さんは頭痛、吐き気でほとんど寝たり起きたり子供さんは鼻血がよく出る、こういう症状が起こっているんですね。私は二十人余りの方々から一人ずつ症状を聞きました。まとめると、頭痛、目まい、肩こり、圧迫感、眠れない、いらいら、動悸、吐き気、ときどき失神状態、鼻血、それから考えがまとまらないというのもあるんですね。で、近くの病院の先生に聞いたところ、こんなの見たことないが、不安性神経症のような症状が出ている。これは睡眠が十分とれないことから起こる精神圧迫によるもので、だから十分眠れるような環境が何よりも治療には必要だ、こういうふうに言っておられましてね。こういう状況が多数出ているわけです。私特に胸を打たれたのは、四歳、五歳の子供さんが家におるとしんどい、それからお父ちゃん家かわろう、こう言うて盛んに訴えると。小学校五年の子供さん、もう大きくて十歳、十一歳でしょう。それが夜こわいと言って寝ない、一人でなかなか寝ない。特に子供さんたちがかぜを引いて熱を出したり、あるいはけがをしたりしても、家で寝ている方がつらいから学校へ行きたいというんですね。何の他意もない子供さんたちがそういう形で苦情を訴えておられる。これは環境庁にお伺いしますが、この健康被害の原因は一体何だと思いますか。
説明員(山本宜正君) その地域につきましては、本年一月に係官を派遣して調査させました。その西名阪高速道路一日三万台と
いうような交通量があるそうで、それの騒音あるいは振動というようなことが原因ではないかということは推定されます
沓脱タケ子君 現地へ行くと、吐き気だとか目まいだとか失神など、従来の騒音振動公害の認識では考えられない症状が出ている。いわゆる不定愁訴によく似ているけれども、それだけでは律し切れない。この問題を研究されておられる汐見先生は、東大の先生方の御協力なども得ながら検討し、どうも超低周波による公害だとおっしゃられ、論文等も報告されておられます。西名阪の道路交通による被害ということは認めておられるんですね。
説明員(山本宜正君) 被害と言えるかどうか存じませんが、大変迷惑をこうむっておられる、症状のある方が道路に近いというようなことなどから考えて、道路交通が大きい振動あるいは低周波振動というようなことでの影響を及ぼしているのではないかということは言えると思います。

 このように、環境省は「低周波音被害」の存在をはっきり認め、しかも可聴音を意味する「音」ではなく、より実態を表す「低周波振動」と呼んでいました。これはおそらく、「振動規制法」で被害を食い止めようと考えていたからのようです。すでにそのための準備も始めていました。
説明員(山本宜正君) 現在振動規制法というのがあるわけです、振動の問題については研究がまだ進められてない段階です。文献的にも非常に少ないようです。環境庁としては内部の研究費等を使いまして、現在までも昭和五十一年から五十二年にかけ代表的な問題地区十地区においての実態把握もいたしております。内外の低周波振動あるいは騒音に関係する文献の収集もしております。また低周波振動の場合には耳では聞こえないけれども体に感じる、また家屋が振動するということでその振動の音が聞こえるというようなことがあるわけですが、こういった家屋いわゆる建物への影響、どのくらいの音圧レベルから影響があるか、そのがたつきの状況、こういったものについての実験的な研究もしてまいりたい

 実は当時、各地でいっせいに低周波音振動の被害が問題化しており、急いで規制法を作るべき条件はそろっていたわけです。

説明員(佐藤秀一君)・・・最近特にこういう問題がクローズアップされてまいったわけでございまして、環境庁におきましても特に低周波の振動と健康被害の問題につきましては五十二年から委員会をつくっていろいろ調査研究していると伺っておりますが・・・ 

 その背景には全国で急激に進んだ高速道路網の整備とモータリーゼイションがあり、事業者の方でも低周波音振動と被害の存在は認めていました。

参考人(持田三郎君) 香芝町の低周波空気振動による被害でございますが、昭和五十二年の十二月に香芝町の地区総代の方から、振動による建具の振動とかあるいは心身に非常に異常を来しているというような住民の声があると、公団の方に申し入れがございました。そこで公団としていろいろ対策を練りましたが、やはり原因がはっきりつかめないということで奈良県御当局並びに環境庁の協力を得て、空気振動の測定を行った結果、低周波空気振動であるということが判明いたしたわけでございまして、その発生の機構の究明に努めて、発生源対策にまず力をいたそうと今日に至っております。

 しかし、この件で「加害者」とされた道路公団は、低周波振動と身体被害との因果関係は認めず、「基準がない」ことを理由に逃げ隠れするばかり。実際は、低周波振動には自動車メーカーやゼネコンなど、日本株式会社の「核企業」が多くかかわっており、道路公団の答弁は、おそらくそういう利害関係者を代弁したものだったでしょう。

沓脱タケ子君 道路公団基準がないから被害者に対処しないと言っているんですよ。騒音は要請基準超えてないから被害に対する手は打てない、こう言うているんですよ。被害が出ているのに、基準ができていない。環境庁は基準ができるまで被害者をほっときますか。道路公団、みんな環境庁の責任にしてますで。この西名阪の供用開始は四十三年ですそれを拡幅して四十七年十二月から四車線の供用を開始した。その後四十九年の十二月ごろから沿道住民、特に香芝町から町当局に被害の訴えが出てきた。それからまる四年経過しているのに、いまだに未解決なんです。住民が毎日毎日苦労しておる。苦しめられておる。一方、道路公団の態度きわめて無責任で、香芝町議会の議長西名阪公害問題特別委員会委員長に対して、こんなことを言うとるんですよ。「道路に起因する低周波空気振動と健康被害との因果関係の究明につきましては、高度の医学的専門知識が必要とされるもので、道路以外の他の発生源も含めて総合的に判定できる公的機関(環境庁)で解明されるのが適当であると考えております」「医療補償等につきましては、道路に起因する低周波空気振動と健康被害との因果関係が究明された段階で検討いたしたいと考えております
 それから、片方の特別委員長あてでは、「公団において体験調査を実施する考えはありません」、補償交渉の窓口については「因果関係が究明された段階で検討いたしたいと考えておりますが、それまでの間における補償交渉等の窓口が何処であるかについては、当公団では回答いたしかねます」と、苦情の窓口もつくりません、こういう態度ですわ。原因の究明は環境庁、被害者に対して苦情の窓口も当公団は「回答いたしかねます」と、こんな不誠意きわまりない加害者おりますか。何という無責任な態度です。原因者だということは環境庁お認めなんですよ。原因者として当然住民に対する被害、この被害をかけている住民の皆さん方に謝罪をして、緊急対策を立てるべきです。どうなんです。・・・耳に聞こえへん公害が問題になっているのに、騒音の基準というようなあほな話ね。もうこんなんですがな。時代錯誤もはなはだしいと思うので、その点どうですか。

 この時代錯誤が、40年後の今(2016年)も続いているわけです。なぜなら、結局、事業者の無責任ぶりを追及できず、環境省は企業に押し切られて規制法つくりをあきらめたから。そのウラではおそらく一部の科学者を抱きこんで「低周波音は人体に影響しない」とのウソを押し広めてしまったはずです。この場合、その説に反対するまともな学者は排除され、事実は封印されるため、市民はやがて「低周波振動」の問題などすっかり忘れ、自分の体調不良を「遺伝」のせいにするように洗脳されてしまうものなのです。そして、社会は情報通信・新技術バンザイの時代に入り、人間は四六時中、低周波音、Wifi、電磁波、放射能、化学物質にさらされているわけ。これらの公害源に対し、政府はいまだに規制値を決めていません(「環境基準」は単なる目標値で、罰則を伴う規制値ではない)。風力被害に関しては、振動規制法を改正し、「低周波振動」を明記させることから始めるべきでした。誰かそれにトライした人、いたのかなあ? 2016.12.4

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環境省、風車低周波音被害を認めず

 本ブログの過去記事「緊急のお願い(風車「報告書案」にノーを) (09/15)」に関するパブコメの結果を、環境省が公表しています。以下は環境ビジネスの報道。環境省のサイトは記事の下につけました。

 

「風力発電所の騒音、評価手法の報告書が公開 測定は「四季ごとに昼夜2回」など

20161129 https://www.kankyo-business.jp/news/013858.php?utm_source=mail&utm_medium=mail161130_d&utm_campaign=mail 

環境省は、「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会」の報告書を取りまとめたことを発表した。あわせて、2016819日から同年917日までの間に実施した意見募集(パブリックコメント)の結果も公表した。この報告書では、主に商業用に用いられる一定規模以上の風力発電施設を対象とし、現時点までの知見・風車騒音の評価方法について取りまとめた。報告書では、これまでに得られた風車騒音の知見や研究結果、風車騒音の評価の考え方、調査・予測、対応策や、今後必要な取り組みなどが記載されている。報告書の概要は下記のとおり。

「風車騒音は超低周波音の問題ではない」

 風力発電施設から発生する音は、通常著しく大きいものではないが、もともと静穏な地域に建設されることが多いため、比較的小さな騒音レベル(A特性音圧レベル)であっても苦情等の発生事例がある。これまでに得られた知見として、風車騒音は超低周波音ではなく、通常可聴周波数範囲の騒音の問題であること、騒音レベルは低いが、より耳につきやすく、わずらわしさ(アノイアンス)につながる場合がある。風車騒音の評価は、風力発電施設を新設する場合が対象となる。評価の目安となる値として+5dbに収まるよう設定する。測定は、原則四季ごとに、昼間と夜間のそれぞれの時間帯で行うとしている。パブリックコメントは、89通の意見提出があった。整理された意見総数は451件で、その概要と意見に対する考え方がまとめられた。

【参考】環境省 − 風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会報告書について

 ★風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会報告書について

 

 予想通り、環境省はパブコメを「聞きおく」だけ、報告書(案)の中身を変えるつもりはありません(一部の語句は修正予定)。

 つまり、「耳には聞こえない低周波、超低周波」の存在は認めるけれど、「聞こえないから音じゃない」→「聞こえない音の被害なんて存在しない」というわけ。その結果、今後の風力発電は、低周波音に関する規制ゼロという「法の空白」を縫って突っ走る体制が整えられたわけ。

 上記★の環境省とりまとめを読むと、二つの特徴があきらかになります。

 ひとつは、市民意見が「技術論」に集中していること。これは、募集にそった意見なので当然といえば当然ですが、一般市民には理解できず、せいぜい何らかの「線引き」が問題になっているだけというイメージを与えることでしょう。本来なら、風車騒音被害を可聴音だけに限定するのなら、非可聴音(低周波音)を規制する別のルールが必要ですが、そういう議論がまったくないまま現在に至ってしまっているようです。こういう、法律に規定のない公共事業は、何よりまず「法制」を問題にしないと、技術論議に終始しがちで、その結果、現状追認の形になってしまうものです。ま〜、これは「反風力」の運動が全国化しなかったため(全国展開を阻むものがあった)、論点も明確にならなかったのでしょう。

 次に気づくのが、事業者の居丈高な意見が多いこと。例えば:

18 ・風車に対する誤った風評を訂正するために、p.3 第 24 行目「風車騒音は”聞こえる”音(騒音)の視点で議論すべきである」という記載を「風車騒音は”聞こえる”音(騒音)のみの視点で議論すべきである」と修正すべきである。

25 ・風車によるわずらわしさ(アノイアンス)の要因として、景観等の騒音以外の要素の寄与が大きいことが示されていながら、騒音に対してことさら厳しい目安を設定することは不合理である

57 ・風車騒音と睡眠障害の間に関係があると結論付けることは不適当である。

71 ・・・・苦情事例の中に、風車騒音には悪影響があるという思い込みによってわずらわしさ(アノイアンス)や他の健康影響を訴えることによる苦情が含まれている可能性があることを追記すべきである

72 ・地域の住民の同意を得られているのであれば、評価の目安を超過していても問題は生じないのだから、その点について報告書に明示すべきである。
81 ・風力発電事業者にとって負担が大きいことから…測定時期についての「原則として四季毎」という記載は削除すべきである。

 風力事業者がいかに被害者の人権を無視し(被害の存在そのものを否定しようとしている)、規制を嫌っているかがよくわかりますが、パブコメでこういう露骨な意見が出る例を私はあまり知りません。彼らはおそらく、「風力には明日がない」ことを認識して、今のうちに稼いでおきたいのでしょう。中にはこういう↓具体的な要求も。低周波被害を認めない環境省は、事業者の求めには応じている。

78 ・立地を計画している地点は調査不要と思われることから、調査を要する地点から外していただきたい
 → ・ご指摘を踏まえ、立地を計画している地点を調査を要する地点から除外します

 なお、低周波音の存在とその得意な性質は、環境省でさえ認めています。

 29 ・低周波音は通常の騒音に比較して家屋等により遮音されづらく、家屋内では低周波成分の影響が相対的に大きくなり、悪影響を及ぼす可能性がある→・ご指摘のとおり、低周波音は通常の騒音と比較して家屋等により遮音されづらい特性を持っていることから、留意が必要である点を報告書(案)の p.6 に記載しています

 当然、各省庁は「低周波被害」についてもよく知っています。たとえば↓の質問趣意書のように、1970年代、80年代の国会議員は、「低周波音空気振動」(当時はこう呼ばれていた)を深刻な被害をもたらす公害と認識していました。

html - 質問主意書:参議院 ... 高速自動車道に係る低周波空気振動による周辺住民の健康被害問題が顕在化してからすでに相当の年月を経過しているにも拘らず現在まで何ら有効な対策が講ぜられていないことは誠に遺憾である…

  それが「学識経験者」らがカネで買われた結果、被害問題は完全につぶされてしまったのです。40年後の今、「風力」の登場で問題が再度浮かび上がってきたのだけど、学者たちは本当のことを言わず、おバカな官僚は彼らのニセ作文をそのまま信じ込み、法律をいじくりまわそうとしている。

 以下は私の質問ですが、それに対する意見は「答え」になっていません。

 ・「評価の目安となる値」の、法的拘束力等の位置付けを明らかにされたい。

 →・本報告書(案)は技術的、専門的な観点からの知見に基づく考え方を取りまとめたものであり、風力発電施設の設置等に当たり、騒音問題を未然に防止するために対策を講じ、生活環境を保全する上での参考となるよう、評価の目安となる値を設定したものです。

 実際は、「法的根拠にはならない」という意味だ。だから、事業者がどれだけこの価を振り回しても、住民はこれを拒否できます。第一、「聞こえない」とするなら、それを「騒音」の範疇に入れるのも不適当なんですけどね。やはりこの問題には法律論議が必要だと思います。2016.12.1

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日本の自然エネ・プロパガンダ

 「自然エネ」「再エネ」プロパガンダは日本も負けていません。以下は、くりかえし送られてくるイベントの案内ですが、やはりモデルはドイツ。ほんと、「自然」とついただけで、みんな喜んでだまされる。

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10/17 パワーシフト主催院内セミナー
「電力小売り自由化から半年、改めて自然エネルギーを選ぶために」

http://power-shift.org/161017_symposium/
電力小売全面自由化から半年。スイッチングした消費者はまだ全体の約3%ながら、再生可能エネルギーを選びたい、原発の電気は選びたくないという市民のなかでも、実際の切り替えはこれからという人が多数です。
一方、秋から家庭向け小売を始める再エネ重視の電力会社は増えてきています。パワーシフト・キャンペーンは、今改めて、再生可能エネルギーへのシフトを 大きく呼びかけます。
再エネ電力会社をめぐる状況、ドイツの状況との比較、そしてパワーシフトな 選択をした企業・事業所など、それぞれの視点から、現状と課題、展望を共有します。私たち自身の選択を問う機会とできれば幸いです。
日時:2016年10月17日(月)16:30〜19:30
会場:衆議院第一議員会館 多目的ホール (国会議事堂前駅)
プログラム(予定):
1)日本の気候・エネルギー政策の動向と再生可能エネルギーの展望
 高村ゆかり氏(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
2)深化するEUとドイツの自由化〜市民は電力市場の主役になれるのか?
 千葉恒久氏(弁護士)
3)ドイツの再エネ電力、グリーン電力ラベル協会からのビデオメッセージ ドイツの再エネ電力市場 手塚智子(えねみら・とっとり)
4)電力自由化の裏側とパワーシフト・キャンペーン
 吉田明子(FoE Japan)
5)質疑応答・ディスカッション
6)パワーシフトな選択をした企業・事業所、市民グループからコメント
 大石美奈子氏(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント相談員協会)
 大林ミカ氏(自然エネルギー財団)
 古賀真子氏(コンシューマネット・ジャパン)ほか、パワーシフト体験談(個人・事業所)
申込み:
https://goo.gl/forms/VvbMmGy3d9fdDUD93 参加費:無料
主催:パワーシフト・キャンペーン運営委員会
共催:衆議院議員秋本真利

 

 演題を見ただけで、おおよその中身は想像できますが、共催の議員は聞いたことがなかったので、Wikiで検索しました。すると、秋本議員はなんと神道政治連盟国会議員懇談会[5]みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会[5]の議員連盟に所属していました。政策的には憲法改正に賛成[1]女性宮家創設に反対[1]原発ゼロに賛成[2]カジノ解禁に賛成[3]だそう。そりゃ、思想信条は自由ですが、このような保守本流的議員が「自然エネ」を訴えている構図は非常に不自然。もっとも、自民党はもともと利権党ということを考えれば、それほど不思議はありませんが。

 では、自然エネを演出している市民団体の方はどうなのか。で、以前から気になっていた「パワーシフト・キャンペーン」の運営・賛同団体をチェックすると、名簿が出ていました。前記事 風力、ごみ発電推進の「世界ご当地エネルギー会議」を福島市で開催! (09/20) の主催団体のひとつ「全国ご当地エネルギー協会」も入っています(マーカー)。

パワーシフト・キャンペーンの運営団体・賛同団体(http://power-shift.org/organizer/)

運営団体

eシフト市民電力連絡会国際環境NGO FoE Japan*事務局団体認定NPO法人環境市民認定NPO法人気候ネットワーク電力改革プロジェクト首都圏反原発連合太陽光発電所ネットワーク北海道グリーンファンド

賛同団体(56団体:2016年5月現在)

<全国団体>

国際青年環境NGO A SEED JAPANコンシューマネット・ジャパン環境エネルギー政策研究所ふぇみん婦人民主クラブ日本ソーラーエネルギー教育協会原子力資料情報室主婦連合会全国ご当地エネルギー協会WWFジャパン国際環境NGO グリーンピース・ジャパンアジア太平洋資料センターCELC(クリーンエネルギーライフクラブ)原水禁NPO法人チルドリン緑の党グリーンズジャパンNPO使い捨て時代を考える会350.ORG JAPANBeGood Cafe

<地域団体>

足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわえねみら・とっとり環境まちづくりNPO 元気力発電所こだいらソーラー環境まちづくりNPO エコメッセNPO法人新エネルギーをすすめる宝塚の会・グリーンスタイル鳥取・きょうとグリーンファンド一般社団法人大磯エネシフト原発のない暮らし@ちょうふさようなら原発!烏山地域の会・サステナ界援隊・環境ネットワーク@大磯神奈川ネットワーク運動・北区市民発電所いいんかい・エコライフやちよ電気をカエル計画・自然エネルギーを考える川口市民の会・宗教法人 光泉寺・みどり共同購入会あまっこ市民エネルギープロジェクトスロー風土 ナチュ村関西よつ葉連絡会みたか市民協同発電メイド・イン・アース・NPO法人市民共同発電をひろげる城陽の会・NPO法人こがねい市民発電自然エネルギー市民の会おかとん原発いらん宣言2011NPO法人グーンコンシューマー東京ネット・台東リサイクルネットワーク・いとしま菜の花プロジェクト神戸シェアハウス和楽居北海道エネルギーチェンジ100ネットワーク東京生活者ネットワークエネシフみやぎ・パワーシフト福岡・グリーンエネルギー青森

 地域団体のほとんどは、再エネに問題があるなどとは思っておらず、本当に原発をやめたいという思いだけなのでしょう。でも無知は身をほろぼす。

 それから、名前はありませんが、再エネ推進の先頭にいるのが日弁連です。しかも導入目標まで指示している。

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法改正に関する意見書 - 日本弁護士連合会

2016/02/18 - 1 国は、パリ協定に基づく我が国の温室効果ガス排出削減の実施のために、再生可能エネルギー導入目標(2030年の総発電電力量における再エネ比率の目標値22%から24%)を大幅に引き上げるべきである・・・

 

 この全体的な構図が、「自然エネ」被害者の人権無視、低周波音被害の否定につながっているわけです。弁護士の社会はギルドだから、たとえ被害者が提訴しても、まともに戦える弁護士などいるはずがないわけ。また、このような「新ビジネス」は時間が勝負だから、官民挙げての全国的推進ネットを作る前に、被害者の運動が全国に広がるのを抑えようという勢力が働いていたはずです。そんな単純なマーケティング詐欺にひっかかった側も問題ですが、その結果、国民全体の大幅な税負担アップ、環境悪化、身体被害につながってゆくのです。2016.10.16

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ドイツの再エネ・プロパガンダ

 先日、ドイツの放送局ARDによる「風力発電の実態」についての記事( ショック!「脱原発・ドイツ」の、ダーティな風力ビジネス (09/29) をアップしましたが、それを完全否定するようなヨイショ記事が出ていました。ドイツが国をあげて取り組んでいる再エネ(エネルギーシフト)は、経済を活性化し、過疎の地域を元気にし、市民もメディアもエネルギーシフトを支持している…のだそう。ドイツ在住の日本人ジャーナリストによる記事ですが、以下、風力の部分だけ抜き出しました。マーカー山本。

 

ドイツの脱原発ーエネルギー政策の大転換

 http://www.speakupoverseas.net/abandoning-nuclear-power-generation-in-germany/

脱原発―政治の歩み

 ドイツの脱原発は3.11後に決まったと思われがちだが、実は「社会民主党」と「緑の党」が、1998年に16年ぶりの政権交代を果たした時の選挙公約だった連立政府は、電力会社と合意した脱原発を、省エネと再生可能エネルギー普及の2本柱で進め、脱原発法を制定した2009年に交代した保守政権のメルケル(Merkel)首相は、原発の稼働延長を決めていたが、3.11をきっかけに撤回し、20116月には「2022年までに全廃」と法律を改正した。安全審査を委託した「原子炉安全委員会」からの「ドイツの原発は福島の事故に照らしても高い安全措置が講じられている」という報告ではなく、「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」による「ドイツでは、リスクのより少ない技術と環境・経済・社会に配慮した仕方によって、原子力を代替できる」という提言を優先して、決断したのだ。

社会を変革するための「エネルギーシフト」

 ドイツの再生可能エネルギーは、2000年施行の推進法のおかげで急成長し、2014年には総電力消費量でトップになった。ドイツと類似の推進法は、日本でも同時期に議員立法で出されたが、経産省など電力利権勢力から潰されたために、世界で大幅に出遅れている。「ドイツは原発を減らしながら、フランスから原発の電力を輸入している」とよく言われるが、実際はその逆で、対フランスに限らず電力全体の輸出が輸入を上回っている。出力調整ができない原発のために、風力や太陽光発電を停めなければならない日もあるくらいだ。ドイツは地域主権なので、過酷事故のリスクや送電ロスが大きい巨大な発電所から、リスクを分散する地域分散型の再生可能エネルギーに移行しやすい。地域内で循環する資金が、経済の活性化をもたらし雇用も創出するので、少子高齢化が進み人口減少に悩む地域が元気になったという。補助金や交付金に縛られた中央集権制の日本では、特に難しい点だ。省エネも再生エネルギー普及も、ドイツの得意分野である技術革新を促し、競争力を高めて輸出を伸ばし、新たな雇用を創出してきた。このようにドイツの「エネルギーシフト」は、2〜3年ごとに異動する経産省の官僚が、有識者を集めた審議会でシナリオ通りに決定する日本のエネルギー政策とは大きく異なる。雇用対策や自治体の在り方までも視野に入れた、長期的かつ包括的な社会変革手段なのである。

「脱原発」を支える市民とメディア

「エネルギーシフト」の主役は、脱原発政権を選んだ市民たちだ。その舞台は、自治体に限らず学校、住宅、鉄道、銀行、スーパー、警察など社会全体におよぶ。大規模なデモもあり、市民たちを支える強い味方がメディアである。(中略)

ドイツの脱原発デモは、3.11後に4大都市で過去最大の25万人を記録したが、公共放送による告知の効果も大きかったに違いない。最近は、隣国ベルギーの欠陥原発に対し、国境を越えて自治体連合が提訴しデモも頻繁にある。今年6月のデモでは12歳の少女から、「公共テレビの『こどもニュース』で脱原発デモの告知を見たから参加を決めた」と聞いた。ことほど左様に、メディアは脱原発デモに貢献しているのだ。また、警察も非常に好意的で全面的に協力してくれる。「脱原発活動は公益に奉仕する」とみなされ、税法上も様々な特典が与えられるので、全国各地に多くの団体がある。2013年にはドイツ在住の日本人たちも、「さよなら原発デュッセルドルフ」という登録公益社団法人を設立している。(中略)100万年の安全管理が必要な核廃棄物」(ドイツ連邦環境省)という負の遺産を押し付けられる子どもたち、さらにそれ以降の世代のためにも、今「エネルギーシフト」のあり方が、待ったなしに問われている

 

 「日本の再エネは世界で大幅に出遅れ」と聞いて、風力発電によって被害をこうむっている人々はカンカンに怒るんじゃないか。日本でも地域によってはすでに風車が林立しているのです。しかもそれらの地域は、経済活性化や雇用創出で潤おうどころか、不動産価格下落から家を捨てる例もあるくらい。体調不良や死亡、自殺といった例も聞こえてきます。ドイツ在住なら、風車のもたらす「負」の面−−反対運動、訴訟、腐敗、違法性ーーに気づかないはずはないし、ジャーナリストならARDの放送を見ているはずですが、そこには一切触れずに「エネルギーシフトを進めよう」とは、再エネ・プロパガンダです。

 「反原発派」「脱原発派」は、原発という大悪をなくすためには風力という小悪は許せる、と考えているフシがあります。でも、経営陣はほぼ同じ、当然、事業のやり方もほぼ同じ。地元ボスにカネをばらまくのも、反対者をふみつぶすやり方も、被害を無視するのも、協定など歯牙にもかけないのも、・・・全部、原発と同じなのよね。こういう「現実」を見ないから、日本では市民運動が根付かないのだ。2016.10.14

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ショック!「脱原発・ドイツ」の、ダーティな風力ビジネス

 自然エネルギーの「優等生」といわれるドイツ、しかし、その風車建設はペテンと汚職まみれですすめられてきたことを、他ならぬドイツのテレビ局ARDが暴いて話題になっています。その動画「Der Kampf um die Windräder(風車をめぐる戦い)」はここ⇒ http://www.daserste.de/information/reportage-dokumentation/dokus/videosextern/der-kampf-um-die-windraeder-112.html

 動画はドイツ語なので、その内容を解説した英語サイトから翻訳して下につけました。・・・どの国でも「悪しき公共事業」はカネとだましから始まるというところか。でも日本の場合、原発マフィアがからんでいるのでさらに悪質です。

 

「ドイツのメディア、『エネルギー革命』と風力ロビーの底知れぬ腐敗に目覚める」

2016年9月7日 No Trick Zone http://notrickszone.com/2016/09/07/germans-media-sobers-up-to-the-widespread-corruption-of-the-energiewende-and-wind-lobby/#sthash.S9yBqgTx.dpbs

 ドイツ最大の放送局、ARD(ドイツ公共放送連盟)は、最近、「風車をめぐる戦い」というリポートを放送した。

 北ドイツ。シュミット一家は、最初、他の多くのドイツ人と同じように風車を歓迎していた。環境にも気候のためにもよく、責任のとれるエネルギー源だと考えていたからだ。しかし、自分たちの家が、東西南北、産業用ウインド・ファームに囲まれてしまって以来、その考えはとっくになくなっている。「昔の風景はもはやどこにもない」。

 彼らは腐敗し、強い力をもつ産業の犠牲者だ。

 ARDによると、風力事業者は、風車に反対する地域住民をひたすら押しつぶして建設が進められている。住民の家から数百メートルしか離れていない場所、しかも業者が所有してもいない自然環境に、巨大な機械を設置しているのだ。北ドイツではもはや風車建設の要望はないにもかかわらず、ウィンドファームは建設され続けている。時には、送電網に負荷がかかりすぎないように風車は停止されるが、動いているいないにかかわらず、風車にはカネが支払われるーーそれこそ、風車が建設され続けている理由だ。

 (4分)南ドイツエアランゲンの小さい地域では、そもそも電力を起こすほどの風もないにもかかわらず、利益を出すためだけに風車群が建設された。「グリーン」であるというメッセージ(納税者の金でてっとり早く稼げる)が、常識を打ち負かすのだ。狂気は終終わりを知らない。この地域にはさらに多くの風車計画がある。

 

「クリーンエネルギーのダーティ ビジネス」

 (5分30秒)これほど狂っていては、ウィンドファームに対する国民の信頼がなくなってきたのも不思議ではない、ARDのリポーターはそう述べる。その他にも、風車ビジネスに直接利害関係があったり、取引関係にある政治家がウィンドファームを認可しているという問題がある。つまり、風車産業はあからさまな縁故資本主義ーードイツ人が最も強く反対することで知られているーーなのだ。例えば、ラヌンゲン市のぜーナー市長は、誰も考えもしなかった場所ーー彼の所有地ーーに風車を建設させた。それによって、尊敬すべき市長殿の懐には土地のリース代、年間1万ユーロ(約112万円、9月27日のレートで換算)が転がり込んできたわけだ。

 同じような「甘い取引」は、ウルシュプリンゲン市のエゴン・センデルバッハ議員も行っている。ドイツ全土で、地方議員らは、ウィンドファームから利益を得ているが、それは全額、市民の税金と公益でまかなわれているのだ。しかし、ARDの取材に対し、センデルバッハ議員はそこには何の問題もないと応えた。

 ARDの調査によると、国内の何十もの地域で、地方議員が怪しげなウィンドファームに許可を与えることで利益を得ているという。法学教授のマイケル・フレイ氏の調べでは、ウィンドファームのゾーニングに関する限り、「(問題があっても)自己解決しろ」的な考えしかないため、我々は大きな問題を抱えている。多くの市長も、議員も、自分たちの利益になるように、問題(風車建設)に賛成票を投じている。その状況は恐ろしいほどで、しかも全国的だ。ARDはこれを「クリーンエネルギーのダーティビジネス」と呼んでいる。

 

売り払われた環境保護

 北ドイツに戻ろう。ARDは風車建設に求められている住宅までの距離(セットバック)に焦点を当てる。セットバックの距離は州によって違うが、不幸なことに、フリージアン地域では、ウィンドファームは住宅から「すぐ近く」に建設できることになっている。番組では、家の近くに建てられた風車のために夜、眠ることができなくなった家族を紹介している。風車のあるものは森のど真ん中に建てられているが、ARDは「いったい環境保護はどうなっているんだ」と疑問をなげかけている。

 

ドイツの環境保護団体ブンドは「信頼性を失った」

 ハリー・ニューマンは、ドイツの重要な環境保護グループ「ブンドBUNDドイツ環境自然保護連盟 )」の前会長だったが、抗議のために今はこの組織を離れている。ブンドは、風車産業と完全に一体化しただけでなく、ブンドのトップは風車産業のロビー活動さえやっているというのがその理由だ。その利益相反とあからさまな腐敗がいかに深いかは、まったく驚くべきものがある。以前、ブンドのメンバーだったステファン・シュリッツは「私の見るところ、ブンドは環境保護団体としての信頼性を失っている」と述べる。ブンド設立者であるイノック・ ツー・グッテンベルクは、今やドイツで最も厳しい風車産業の批判者だ。彼は、風車ロビイストとブンドが実質的には同じで、彼らは自然のための法律家から、風車産業の法律家になってしまった。「自然にとっては壊滅的だ」と述べる。

 

消費者はもはや電気代が払えない

 〈20分)ARDが次に焦点を当てるのは、風力業界の大もうけの裏で苦しむ消費者だ。ニーナ・アルビッグの家では、電気料金が爆発的に高くなり、2008年に比べると二倍になってしまってもはや支払えないという。すると電力会社は料金を払わないと電気の供給をカットすると脅しているのだ。彼女も、他の多くのドイツ人たちと同じように、気候変動を止めようと、(自然エネを)支持してきたが、今や「エネルギー革命に疑問を持っているわ」という。

 

買われた「自然エネ」推進デモ

 しかし、ドイツの緑の党は、上述の問題をすべて否定している。ベルリンでは、緑派と風力業界が一緒になって、最近、政府が発表した、エネルギー補助金と支援の規模縮小案に対し、声高な批判を繰り広げている。グリーン派の議長であるアントン・ホフライターは集会でこう吠えた。

 「我々は風力発電が必要だ。我々の生活の基礎を守るために、地球を救うために、そして子どもたちを救うために!」

 ホフライターのような人々は、ARDや他のドイツのメディアから、ついに、昔のペテン師が、いまだにガマの油を売っているとまで表現され始めている。しかも、上記のベルリンで行われた抗議集会への参加者のほとんどが、風力産業で働く労働者であり、日当と旅費、宿泊費を支給されて動員されていたことがわかった。集会で話したのも他ならぬブンドである。

 キリスト教民主同盟のミハイル・フック巣は風車産業のロビーについて、次のようにまとめている。

 「すべて、巨大なビジネスの利益のためだ。完全に巨大なビジネス利権だ。他のどの業界からもあのような粗野なアプローチは経験したことがない。議会は個人の利益に関して相当なプレッシャーを受けてきた。一時は愛されたドイツの風力産業は、今やますます嫌われ者の悪役になっている。」

 ******

 翻訳ここまで。「ドイツにならえ!」と風力を支持している脱原発派には信じられない記事かもしれません。でも、事実は事実。なお、ARD(ドイツ公共放送連盟)は、国内9つの地方公共放送の統括団体で、全国にテレビ・ラジオ網を持つドイツ最大の放送機関です。日本でいえばNHKでしょうか。でもNHKは会長からして自民党のイエスマン、決して政権に逆らわない街宣団体なのに、なぜドイツの放送局は、こうやって正面から政権批判できるのか? これは、ドイツでは、ナチスの時代、メディアが世論操作に使われた反省から、放送は完全に独立し、連邦政府は放送に介入してはならない仕組となったからだそう。各州の放送もそれぞれ独自の放送法と規制機関によって監督されていて、日本のように全国一律、一斉に同じカラーのニュースが流れる(まさにメディア洗脳)ことはなさそうです。つまり、日本には放送の世界にも「戦後処理」がなかったということの証明です。もちろん、それ以前に、日本では上から下まで組織団体は独立性(=収入)が確保されていないという問題もあり、だからこそ、裁判所だって、法律ではなく政権の顔を見て判決を下すわけです。社会の病気は原因にメスを入れない限り、こうやってますます悪化してゆくんですね〜〜。というわけで、お知り合いの「みどり派」にこの記事をぜひ勧めてください。いつまでもペテンにひっかかっているわけにはゆかないので。2016.9.29

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幻想の風力エネルギー

 風車の「現実」を知らせるいい動画がありました。火災、爆発、鳥類虐殺、死亡事故、廃棄物、汚染...イメージは「クリーン」、でも実態は「ダーティ」。

 

 風車の耐用年数は20年と言われていますが、風や雷など自然の力には勝てないし、台風・竜巻がくればこの動画のような運命に。雪の重みで壊れた例もあり、洋上風力となると、潮風による塩害で寿命はもっと短いことでしょう。問題は、こうやってぶっ壊れた(この表現がぴったり)風車は、他に使い道がなく、全量をごみとして処理しなければならないこと。これは「新エネ」と呼ばれていたころからの問題で、たとえ「自然エネ」と呼び方を変えても、社会と環境への負担増になることは避けられないのです。

 

 2011年当時、6000基の風車で530万人に電力を提供し、「超グリーン」といわれたデンマーク政府でさえ、「こわれた風車の羽根や古い風車の巨大なごみを処理する方法がない」と認めているし、専門家は「風力がエネルギー供給に占める割合が高まるにつれ、巨大なごみ問題が同じ速さで浮上する」と述べていますおまけに、これほど多くの風車ができたのに、それによって廃止された発電所はひとつもなく、電気料金はヨーロッパで最も高いとか(Broken Wind Turbine Blades Create Mountainous Waste Problem ...)。

 

 風車の羽根は強く軽いことが求められるため、主に熱硬化性プラスチックと炭素繊維を結合させた炭素繊維複合体(カーボンファイバー)が使用されていますが、これは性質上、リサイクルできません。また、羽根の長さは普通、60メートル以上もあり、そのまま埋めるとごみ処分場がすぐ一杯になること(注:欧州のごみ処理は埋立が基本)、燃やすと有害物質が発生するため焼却もできないことから、カーボンファイバーの専門家でさえ、「風車が回っている時はグリーンなエネルギーを生み出しても、壊れたらすぐ問題になる。羽根を再使用できるような具体的なソリューションはない」と述べています。この他、風車には大量の虫の死骸が貯まり、また、劣化すると発電能力が20〜30パーセントも落ちることから、定期的に羽根を交換しなければならないーー廃棄物がさらに増えるーーのです。

 Dr. Vic Masonによれば、住居近くの小型風車の多くが崩壊した、最近、二つの巨大風車が強風のために壊れ(上の動画の二番目の例、ここでも⇒ video footage、グラスファイバーの鋭い破片が500メートル四方に飛び散った、同様の事故がスエーデン、北イングランド、スコットランドでも起きるなど、羽根の破壊は非常に危険とのことです。実際に、風車事故による死者は原発事故を上回り、たとえばアメリカでは2008年だけでも41名が亡くなり41 worker fatalities、風車労働と関係ない人死者も16名に達しています・・・飛ばされてきた羽根の破片が突き刺さったりしたのでしょうね。

 

 風車にはまた「汚染」問題もあります。2004年以来、EUでは多くの国が、「カーボンファイバー製品のごみ処分場への埋立禁止」、さらに「有毒生成物を放出する恐れがあることから、プラスチック製品の焼却を避けること」を求めた法律を次々に成立させていますが、政府の補助金のせいでその成長に歯止めはかからない。Professor Henning Albersの計算によれば、今の成長率がこのまま続けば、2034年までに毎年225,000トンの風車廃棄物が増えてゆくとのこと。風車が廃棄物処理の面からも、環境汚染の面からも大変な厄介物であることは否定できません。

 

 長年にわたり炭素繊維複合材を使用してきた航空機業界も、材料を細かくすりつぶすなどしてリサイクル利用を探って来ましたが、まず必要なのがプラスチックの「分別」で、ヨーロッパの人件費ではとてもコストに合わないようです。風力発電は、そもそもの出だしから、「予防原則」「廃棄物処理の方向性」「社会・環境への影響」を無視して走り出した利権産業です。後になってそこにくつわをはめるのはとても難しい。しかも、日本人の多くは(日弁連やグリーンピース、FOEなどを信じて)「風力はクリーン」と思い込んでいるし、日本ではごみの焼却処理が普通なので、いずれ、海外の風車廃棄物が日本で処理されることになるかもしれません。安部は原発売り込みとセットで「原発廃棄物の処理も引き受ける」と言っているくらいだから、これは決してとっぴな考えではないのです。2016.9.22

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風力、ごみ発電推進の「世界ご当地エネルギー会議」を福島市で開催!

 風力発電に関する「報告書案」について、再確認しますが、環境省がいったんこれを認めると、すべての低周波音被害も一律に「なし」で片付けられてしまうことにご注意(行政の公平性)。法令じゃないので裁判でも問題になりません。低周波音被害は、実はエコキュートなどごく身近なところで発生しており、その数も多いのですが、風力発電をターゲットにしたのは風力の被害者はごく少数だから(それも泣き寝入りがほとんど)。でも、エコキュートなどの被害も、「被害が表れるのは一部だけ」「証明が難しい」ことから、これまでも政府・企業は知らん顔。でも今後は、「何言っとる。報告書で『低周波被害はない』とされとるだろうが」となるわけ。ま〜確信犯ですねえ。

我が家の低周波音被害低周波音被害に関する動画がすべて削除されてしまいました ...

エネファーム,低周波音,被害

NPO法人STOP!低周波音被害 |被害者の声

わかったら地獄-低周波音被害者の悲惨2

 

 それにしても、環境省はなぜ、今の時点で低周波音被害を切捨てようとしているのか、セットバックさえ認めようとしないのか(これも報告書案にある)、関係者はなぜぎりぎりになってパブコメ情報のことを知ったのか?(山本がパブコメのことを知ったのは14日、締切り17日!)。不思議に思って調べたら、とんでもない ことがわかりました。

 飯田哲也氏などが出資しているISEP(環境エネルギー政策研究所)が、世界風力エネルギー協会WWEAなどと共催で、この11月3〜4日に福島市で第一回目の世界大会を開こ うとしているのです。その名も「世界ご当地エネルギー会議」。

 

以下はhttp://www.wcpc2016.jp/からの抜粋です。

「世界風力エネルギー協会、環境エネルギー政策研究所、全国ご当地エネルギー協会は、福島市長の招待を受け、 第1回世界ご当地エネルギー会議(World Community Power Conference, WCPC)を福島市にて開催いたします。世界ご当地エネルギー会議は、地域が中心となって進める自然エネルギー(コミュニティパワー)のリーダーたちが世 界各地から集い、世界的な自然エネルギーへの転換の中でコミュニティパワーの果たす役割を議論することを目的とします。また、この会議では、グローバルな コミュニティパワーの戦略や国・自治体レベルでの方向性も議論します。

世界ご当地エネルギー会議は、世界中の政府が2050年までに世界のエネルギー供給からの温室効果ガス排出を抑えること、つまり、100%自然エネ ルギーの方向性を合意したパリ協定の1周年の機会に開催されます。また、この会議は、福島原発事故から5年目、チェルノブイリ原発事故から30年目の機会 に開催されます。コミュニティパワーは、地域の人々が意思決定し、導入・所有・運営する自然エネルギーを意味します。コミュニティパワーは、自然エネル ギーの普及に好影響をもたらし、また、自然エネルギーの経済効果を高めることが立証されています。」http://www.wcpc2016.jp/

登壇予定者 (順不同

  • ハラルド・ナイツェル(ドイツ連邦環境省)
  • ピーター・レイ(世界風力エネルギー協会)
  • ソーレン・ハーマンセン(サムソエネルギーアカデミー)
  • クリスティン・リン(REN21)
  • ステファン・シューリグ(世界未来協議会)
  • ニコル・リセ(オンタリオ持続可能エネルギー協会)
  • エリック・マーティノー(環境エネルギー政策研究所/北京理工大学)
  • イブラヒム・トゴラ(マリ・フォルケセンター)
  • ジョンダル・キム(国際ソーラー都市イニシアチブ)
  • ウォルフガング・トイブナー(ICLEI)
  • ベアトラム・ヒルゲン(カッセル市長)
  • ライナー・ヴァルマン(ヴェラ・マイスナー・クライス議長)
  • ロタール・ストック(ベルリン市)
  • 関昇一郎(長野県)
  • 加藤憲一(小田原市長)
  • 高橋浩人(大潟村村長)
  • 西原親(みやま市長)
  • プレーベン・メーゴー(ノルディック・フォルケセンター)
  • トア・ヴィツェリウス(ウィンド・フォー・ショア)
  • モニカ・オリファント(モニカ・オリファント・リサーチ)
  • カルロ・シック(フライブルク大学/世界風力エネルギー協会)
  • サラム・アル・カティーブ(同志社大学)
  • ラウパッハ・スミヤ・ヨーク(立命館大学)
  • 諸富徹(京都大学)
  • 倉阪秀史(千葉大学)
  • 豊岡和美(徳島地域エネルギー)
  • 鈴木亨(自然エネルギー市民ファンド)
  • 小林稔(飯舘電力)
  • 佐々木寛(おらって「にいがた」市民エネルギー協議会)
  • 丸山康司(名古屋大学)
  • バーバラ・メーレンディック(ケルン市)
  • 井上保子(宝塚すみれ発電)
  • 三浦規光(三浦電機)
  • イェルテ・ハーンマイヤー(ジェームズ・ハットン研究所)
  • タリン・レーン(エンバーク)
  • ロバート・スナイダー(アイランド研究所)
  • エミリア・ノーデック(サステイナブル・モロカイ)
  • レア・ゴローニョ(ノルディック・フォルケセンター)
  • アンナ・クレンツ(ノルディック・フォルケセンター)
  • コンラッド・モレノ(再生可能エネルギー技術研究センター)
  • ヴォルデマリアム・ウォルデ・ジオルジス(インサイト開発研究所)
  • セルジオ・セランスキー(ヤンサ)
  • ニール・タウンゼント(ジャスト・エナジー)
  • タナイ・シドキ・ウヤー(トルコ再生可能エネルギー協会)
  • 山下紀明(環境エネルギー政策研究所)
  • 磯部達(みやまスマートエネルギー)
  • クラウス・ジードホフ(オスナブリュック電力公社)
  • ハインリッヒ・バーテルト(ジェネラル・ウィンド)
  • ハリー・レーマン(ドイツ連邦環境庁)
  • ピーター・モーザー(ディーイーネット)
  • ダニエル・クレーマー(ドイツ-日本研究所)
  • 川又孝太郎(在ドイツ日本大使館)
  • クリスティアン・ディマー(早稲田大学)
  • 松原弘直(環境エネルギー政策研究所)
  • 原亮弘(おひさま進歩エネルギー)
  • 辻村千尋(日本自然保護協会)
  • 吉田明子(パワーシフトキャンペーン/FoE Japan)

 勝手にこういうことを決めているわけですが、なかなかすごい布陣です。WWEAは世界100カ国600人・組織が参加するNGO(非営利団体)で、コンサルタント会社、研究機関、大学が名を連ねている模様ですが、メンバーリストにはHPからアクセスできません。でも、この規模の国際会議開催には数百万の費用が必要なはず。会議参加は無料なので、企業や政府が支援しているだろうことは推測できます。参加リストや記者発表 http://www.isep.or.jp/library/9625 を見ても、多くの「地域」が巻き込まれているようで、相当、見えないお金が飛び交っていることでしょう。甲状腺調査中止、避難者家賃補助打ち切りの福島県、市は、まさかこのビジネス大会にお金を出すんじゃないでしょうね。

 さて、会議の狙いは、日本人をだまくらかし(再エネはすばらしい、世界中で評価されているんだ!)、日本を規制なき再エネのメッカにすることではないかと思います。世界では、ポーランドの風力建設禁止、ドイツの2キロのセットバック設定、各国で強い反対運動、裁判多発が報じられていますが、日本では風力を疑問視する人はほんの一握り。それを知っている環境省は、報告書案に任意の(⇔法定の)パブコメを実施しても意見書は少ないと予測し、「日本人は低周波音を問題にしないことに同意した」という結論を出そうとしているのです。はい、この「国際会議」に集まる、風力ハゲタカたちへの何よりのプレゼント。

WWEC2016 TOKYO Technical Tour on 2 November 2016

 なお、この会議の前、10月31日〜11月2日にかけては、東京(東大・本郷)で「第15回世界風力エネルギー会議及び展示会」http://wwec2016tokyo.com/が行われます。こちらはスポンサーが日立、日立造船、住友電気、JWD日本風力開発蝓▲哀蝓璽鵐僖錙偲蟷颯哀襦璽廖△修靴禿展山発。・・・はい、日本でひそかに「風力」をあおっているのは、電力系企業、経済産業省(こちらは露骨)、そしてゼネコン。事業の性格も利権の構造も原発とまったく同じ。フクイチの処理さえできない連中がクリーンな事業などできるはずがないのです。2016.9,20

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燃え上がる風車

 

Emergency services were called at 6am to the turbine near Wolf Lake and smoke was seen by motorists on the nearby A3 road

風車は http://www.dailymail.co.uk/news/article-3762477/Massive-wind-turbine-catches-fire-burns-hours-German-fire-fighters-don-t-ladders-long-tackle-100m-high-blaze.html#ixzz4KTOQYY51

 

The flames struck this morning in the town of Isselburg in North Rhine-Westphalia

 

世界中の20万基の風車のうち、で、大きな経済的損失をもたらしており、火災は風車業界にとって大きな問題となっています。なお、イギリスでは風車の建設コストは一基200万ポンド(約2億7千万円)以上、風車稼動による収入は推定で年間6700万円だから、それが炎と共に去っては困るでしょう。

 でも、実際の火災事故は、この数字より「十倍も多い」という報告もあります(http://www.gwec.net/how-often-wind-turbines-catch-fire-and-matter/)。これを「毎年」とかけあわせると、風車火災はすごい高率で起きているわけ。

風車のナセル(羽根の軸受け部分、発電機内臓)には潤滑油が使われており(その他、増速機、変圧器、インバーター、ブレーキ装置、コンピューターなどの機器が搭載されています)、高温回転による温度上昇、落雷による発火はいつでも起こりえるのでしょう。

 ということで、今日が締め切りの環境省パブコメ、どうぞ一言「低周波音を否定するのはけしからん」と書き送ってやって下さい。火災とは関係ないけれど、その一通が、自分を守ることにもつながるのだから。2016.9.17

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