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ジャーナリスト、山本節子の環境問題のブログです。テーマは農薬、化学物質、環境汚染。特に今、ワクチン、GMO、放射性廃棄物、再エネ問題と格闘中。連絡はコメント欄(非公開)か、hanghau*hotmail.comからどうぞ(*を@に変えてね)。
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福島:去年より今年の線量が高い

 「福島県の霊長類のセシウムレベルが上昇―線量は2011年6月よりずっと高い(Cesium levels spike in Fukushima primates — Radioactivity much higher in 2012 than in June 2011)という海外の記事を見つけ、驚いて出典を調べたたら朝日新聞の英文記事でした。Scientists in groundbreaking study on effects of radiation in Fukushima(福島における放射線の影響について、科学者が草分け的な研究開始) 下がその日本語記事。
http://www.asahi.com/health/feature/120913_Kagaku.html
見出しの疑問符は、日本人読者に「放射能は安全よ」と刷り込むための呪府ですね(強調と青字筆者)。
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動植物に放射線の影響は? 福島中心に環境省など調査
2012年9月13日付 朝日新聞東京本社朝刊「科学面」から
 東京電力福島第一原発の事故で拡散した放射性物質は生態系にどのような影響を与えているのか。研究者や環境省が、福島県内を中心に動植物を採取し、調べている。避難した住民が帰還する際の参考のデータにもつながる。だが、放射線以外の影響による異変もあり、調査は難しい。
 (放射能の生態系影響の調査といいつつ、実際は住民を呼び戻すためのデータとして使う予定があることを隠していません。しかも、「調査は難しい」と、先回りして限界を暴露している。この新聞社のイントロが、最も読者に刷り込みたい部分だから、ひどいね。)
グラフ1

 日本獣医生命科学大などのチームは昨年4月から、福島市内で捕獲された野生のニホンザルの筋肉中の放射性セシウム量を調べている。福島第一原発事故の直後は筋肉1キロあたり1万〜2万5千ベクレルだったが、6月以降は500〜1500ベクレルの水準に。だが冬から春にかけては2千ベクレル超に上昇した。季節による変動は、ニホンザルが放射性セシウムが集まるとされる木の芽を食べたためとみられる。同大の羽山伸一教授によると、野生の霊長類の被曝データが得られたのは初めてという。
 (記事で最も驚いたのがここ。去年6月以降、いったん下がり、今年の冬から春にかけて再び上昇したのはなぜか。食べたのは今年の新芽のはず。新芽に含まれる放射能は、樹木から来たのか、それとも新たな汚染を受けたのか、外電はさすがにそこを見出しにしていますが、日本語記事はささっとスルー。)

 羽山教授は「人間と同じ霊長類で低線量の放射線を浴びた影響を20年間以上の長期にわたって調べることができる。人への影響を予測するのに役立つかもしれない」と話す。北海道大の秋元信一教授(昆虫学)らのチームも福島県川俣町内でアブラムシの一種のワタムシを捕まえて形態の異常を調べている。福島県外でも採取して比較し、放射線の影響があるのか明らかにしたいという。(それどころか、すぐに他の話題にチェンジ。私は東北3県におけるごみ焼却が影響しているのではないかと思うのですが。とすれば、ヒトも同じような影響を受けているはずですが…)

 環境省も昨年11月、福島県内で野生の動植物の採取を始めた。原発事故による放射線で、個体や生態系がどのような影響を受けるのかを調べるのが目標だ。環境省によると、これまで放射線への影響が最も大きいのはヒトを含む哺乳類とされ、研究の中心はヒトへの影響だった。だが、ヒトの生活は生態系に密接にかかわっている。環境保全への関心も高まっていることから、生態系の調査が必要だと判断した(意味不明な文章です。生態系の調査をすればヒトの影響も分かる、とも取れますが、それと環境保全とどういう関係があるの?)

 国際放射線防護委員会(ICRP)は、調査の対象にする標準動植物として、カエル、マス、ハチ、カニ、ミミズ、マツ、イネ科植物など計12種を選んでいる。環境省はこれを参考に、現地で採取して長期間調査できるかを勘案して動植物を選んだ。環境省は「細く長く継続していきたい」としている。(これを官僚的に解釈すると、「すぐには結果を出さんぞ」ということ。ホントですよ。でもオタマジャクシの観察なら素人でもできますから、市民も研究を!)

 ◆事故前との比較困難◆
 野生動物の研究ならではの難しさもある。実験室と違い、何を食べたか、どこを動き回ったか、状況がよく分からない。種によって放射線に対する強さが違う。さらに、放射線で異常が起きたのか、放射線以外の影響で起きたのか判別が難しい。琉球大のチームは、福島県内のシジミチョウへの放射線の影響を調べた。現地で採取したシジミチョウを交尾させ、次の世代での形態の変化を見ると、目の陥没や羽の模様の変異などがみられたという。研究チームは放射線の影響の可能性があると指摘している。成果は8月上旬、英科学誌ネイチャー関連のオンライン誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。しかし、8月下旬に米国の研究者から「羽の大きさが示されておらず、変異が起きたかがはっきりしない」などの意見が出た。その後も、ネット上で様々な意見が出て議論になっている。 
 (ここに来てこの記事の目的がようやく明らかになります。日本の原発計画のオーナーであるアメリカから、琉大のシジミチョウ異変の調査結果に文句がついたのでしょう。だからまず、米の原発推進学者にこの論文を批判させ、現在、ネットでの攻防の最中というわけ。)

 岡山大の宮竹貴久教授(進化生態学)は「形態異常が起きた可能性を指摘した注目すべき報告だ」と話す。しかし、事故前の形態異常の発生頻度との比較がないことや、採ったチョウの数が少ないことなどから「この論文だけで放射線の影響と結論づけるにはデータが足りない。さらに調査が必要だ」とも言う。放射線の影響を調べる難しさについて、放射線医学総合研究所の吉田聡福島復興支援本部環境動態・影響プロジェクトリーダーは、何をもって放射線の影響ととらえるか指標がまだないことや、動物が浴びた放射線量がはっきりと分からないなどの問題点を挙げる。吉田さんはそもそも知見が少ないことを指摘する。「客観的なデータを積み上げる必要がある。そうしたデータが、避難している自治体の今後のまちづくりへの判断材料にもつながる。すぐに答えが出るかどうか分からないが、やらなければならない」と話す。
 (最後は御用学者、しかも復興支援本部学者のコメントでしめくくり、暗に論文の訂正を促しているわけで、これに応じないと研究費を止めるよ、というのが言外の意。日本の「学者」とは、政治的に見ると、行政にノーを言えない哀れな存在なのです。だから「学識経験者による諮問委員会」なんぞ信用できるはずがない。)2012.10.6
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 以下は↑の英文記事のサイトの見出し。出典は日本語の記事が多いのですが、どうも日本語では報道されていない記事もあるようで、日本のメディアの二枚看板が疑われます。
‘Mind-Boggling’: Far more cesium released from Fukushima than previously thought says Japan gov’t agency — 40,000 trillion becquerels estimated -Asahi February 29, 2012

Report: Huge, mysterious spike in cesium fallout after New Year’s quake (CHART)
January 7, 2012

French Gov’t: 15 main incidents of radioactivity leaks at Fukushima — Only 408 million-billion becquerels of iodine-131 released into air — Cesium at 1/3 Chernobyl level — Contamination chronic and lasting February 28, 2012

Jiji: Radiation now 5 times higher than July levels — School building with 150,000 Bq/kg nearby October 5, 2011

WATCH: 10-fold spike in Fukushima radioactivity discussed at Tepco press conference — I suppose it was blown up by wind says spokesman
January 10, 2012

Asahi: People eating more radiation, but not in danger — 96% of Fukushima residents ingested cesium on Dec. 4, 56% in Tokyo area -Study January 19, 2012 

“Please send out SOS signals to the world!” — Levels of bio-concentration of radioactivity have not been imagined or have been ignored daringly — Tried to tell officials many times and always denied June 4, 2012

Official: “Way beyond the levels recorded before, it is worrying” — Suggests more releases from Fukushima plant may be causing extreme contamination -Asahi August 22, 2012
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