環境省は、東京電力福島第一原発事故除染で出た汚染土を再生利用する初の試験事業を今夏にも福島県南相馬市で始める。南相馬市が13日、受け入れを表明した。放射性物質の濃度によって分別し、基準値より低いものを公共事業などで活用できないか試みる。環境省南相馬市によると、 試験事業は市内の仮置き場にある汚染土約1千袋を使い、現在は避難指示区域の同市小高区で行う。道路の基盤材などへの利用を試し、使った土は試験終了後に回収する。周囲への放射線の影響など試験の結果を見極めた後、海岸防災林の盛り土などへの活用も検討するという。汚染土は最大で東京ドーム18杯分の約2200万立方メートル発生するとされる。再生利用できる基準値は、環境省が1キロあたり8千ベクレル以下とする考えなのに対し、南相馬市はこれまで同3千ベクレル以下で検討を進めている。試験で適用する基準値は、今後協議して正式に決めるという。(本田雅和、小坪遊

再生利用へ実証実験 環境省と南相馬市 線量低い除去土壌/福島
2016年5月14日 福島民報 
https://www.minpo.jp/news/detail/2016051430928 
 南相馬市と環境省は除染に伴う除去土壌のうち、放射線量が低い土壌の再生利用に向けて実証実験に乗り出す。13日、南相馬市原町区の原町生涯学習センターで開かれた行政区長説明会で両者が概要を説明した。今後、地権者や住民に概要を説明して了承を得たい考え。実証実験では市内の東部仮置場にある土のう袋約千袋の除去土壌を再利用する。放射線量を測定して分別した除去土壌をシートの上に盛り、別の土で覆う。放射線量など外部への影響を確認して、土木資材に再利用できるか検討する。市内には市が設置した仮置き場37カ所と、国が設置した仮置き場11カ所がある。桜井勝延市長は除去土壌の公共事業への再利用を環境省に要望していた

 311後、南相馬市の桜井市長を取材して、私は「南相馬市は環境省と共に歩むことを決めた」と書きました。でも今や同市は、原発事故復興の宣伝塔としてだけでなく、悪しき公共事業の推進役になってしまっているのです。
 でも、汚染土をいったい誰が、どうやって「分別」するんでしょう。フレコンバッグを全部開けて分別するのか? 分別する間の「再飛散」は考慮しないのか、高濃度のものを低濃度にするための「追加処理」とはいったい何か? まさか比較的汚染度が低い土壌を「混ぜて濃度を下げる」んじゃないでしょうね・・・。ちなみに、「汚染物」に関する環境省の方針は、いつも、「混ぜる、燃す、ばらまく、隠滅する」なのです。今の井上とかいう副大臣も、指定廃棄物について、次のように説明しているから。

(副大臣)我々としては、有識者の先生方のご意見もいただいて8,000ベクレル以下であれば、通常の処理で安全に処理できるということで是非お願いをし たいと思っております。ただ、他方で、安心の面と言いますか住民の方々の気持ちとして、なかなかそれを受け入れがたいというのはよく理解はできるところなの で、そこは丁寧に説明をしていく、それから我々としてはできる限り支援をしていく、それは技術的にも財政的にもやっていくということです。例えば環境省の 行っている事業についても、宮城で言えば仙台や利府では、それを活用して一般の処理をやっていただいていますから、やっていただいている自治体もあるの で、必ずしも不可能だということでは無いので、そこはよく理解をいただく努力をして、進めさせていただきたいと思っております。宮城の場合は、特に今度 19日に市町村長会議をやるということでありますから、できれば私自身が伺って、一般処理についての自治体の方々のご意見を伺いたいと思っております
 井上副大臣記者会見録(平成28年3月9日 http://www.env.go.jp/annai/kaiken/h28/fs_0309.html)
 
 「一般の処理」とは焼却処理のこと。環境省は、基本的に「放射性物質」のことなど頭になく、たとえ8000ベクレル以上でも、どんどん燃やして目の前から廃棄物を片付けられればそれでいいのだということが伝わって来るでしょう。・・・これがごみの処理を「焼却」に頼ってきた国の当然の帰結なのです。そういう焼却処理の是非にまで話を戻さないと、この問題も8000ベクレルを巡る技術論で終わってしまうでしょうね。
 でも、地元の人々が絶対に反対ならこういう事業(実験)はできません。地元が反対しない、あるいは押し切られてしまうと、初試験も実行され、汚染土の全国拡散が始まるでしょう。地元を支援したくても、私は鮫川で煮え湯を飲まされたしなあ。
2016.6.9