WONDERFUL WORLD

ジャーナリスト、山本節子の環境問題のブログです。テーマは農薬、化学物質、環境汚染。特に今、ワクチン、GMO、放射性廃棄物、再エネ問題と格闘中。連絡はコメント欄(非公開)か、hanghau*hotmail.comからどうぞ(*を@に変えてね)。
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徳島広域、とりあえずパブコメを

  昨年末、12月30日こういうコメントをいただいていましたが、風邪でレスが遅れました。

 

徳島の馬鹿役所は住民の反対に聞く耳ももたずに推し進めています。将来的には核廃棄物も受け入れるのでしょう。

 

 徳島広域ごみ処理施設計画のことですね。業界紙は「すでに決まった」ように書いていますが、実際はそうではありません。

徳島市広域ごみ中間処置施設 手続き進む

2019/1/7 四国https://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/181228200031.html

【徳島】徳島市など6市町で計画している一般廃棄物の広域処理について、「徳島市一般廃棄物中間処理施設整備基本計画(素案)」をまとめた徳島市は、関係市町でパブリックコメントの手続きを実施するとともに、県環境影響評価条例に基づき計画段階環境配慮書を県へ提出し、県知事意見を求める手続きに入っている。 

 

二種類のパブコメ、市民は知らず

 この短い記事から、二種類のパブコメ手続きが同時進行しているのを読み取れる市民が何人いるでしょうか。

 山本はたまたま12月初めに徳島に行き、その時初めて同時進行で二種類のパブコメ(ヾ靄楫弉菫念討函↓環境アセス)を募集していることを知りました。普通なら、まず基本計画について住民に説明し、その情報が浸透した後に、アセスの手続きに移るものですが、この事業では同時進行。しかも素案については新聞報道されておらず、素案へのパブコメはごく少数か、あるいはゼロでしょう…それを狙ったと思われます。

 その件を小松島市の担当職員に聞いたところ、「基本計画とアセスの手続きを同時にやってはいけないという条例はない。だからやってもいいんだ」と驚くべき回答でした。「法治主義という言葉を知らないの?」と返しても、相手はヒステリックに大声で喚くだけ…ごみ処理施設建設にかかわる地方の公務員はだいたいがこうですが、ここはひどかった。ちなみに状況は徳島市でも同じで、説明しない(できない)、質問には答えない、情報は隠す、叫ぶ・・・まさに「馬鹿市役所」です。こうして、何としてでも「着工」しようとしていることに、重大な不正・汚職が隠されていることがうかがえます。

 ところで「法治主義」とは;

行政議会において成立した法律によって行われなければならないとする原則。行政に対する法律の支配を要求することにより,恣意的,差別的行政を排し,国民の権利と自由を保障することを目指したもので,立憲主義の基本原則の一つにあげられている。この原則に基づく国家を法治国家と呼ぶ。ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

 行政の事業は、何であれ成文の法令にもとづいておこなわなければならない、これは近代国家の原則中の原則であり、憲法や個別法もすべて、この大原則を踏まえて存在しているのです。これを知らない公務員は人治主義の中世に生きているのと同じ。

 なお、ネットでは「法令等に違反していない限り、(行政は)どんな事業に支出しようとも、原則は「自由」です」などの言説もありますが、これは間違い。なぜなら、たとえ法令違反でなくても、行政と企業が結びつくと「手続き」を利用して簡単に法律の網を潜り抜けられるからで、それを防ぐために細かい法律や条例、施行規則、施行令などを定めているわけです。このことは、まともな反対運動をした人なら理解できるでしょう。だから、悪い公共事業と戦うには法的知識が不可欠なのです。

 

 小松島港の核廃棄物

 話を元に戻します。

 上のコメントには「将来的には核廃棄物も受け入れるのでしょう」とありますが、これは決して被害妄想ではこなく、小松島港にはいつからか大量の黒いフレコンバッグの山が出現しました。これを、あるいは福島から持ち込まれた除染残土ではないかと考えた有志の方たちが、シンチレーターを持ち寄って計測したところ、フェンスの外側(つまり道路)でさえ、0.5マイクロシーベルトという高さだったのです。そこで県や小松島市に調査を求めたのですが、何も問題はないからと放置。

 フレコンバッグの山は微妙に増減していることから、どこかの公共事業に使われているらしいことがわかります。

イメージ 1

(現地の写真が見つからず、ネットから福島県富岡駅前に積まれたフレコンバッグの写真をお借りしました。出典:https://blogs.yahoo.co.jp/kotyannomama/19529774.html)

 行政は否定しても、測定値から、「指定廃棄物」レベルの汚染廃棄物が徳島県に持ち込まれているのは間違いありません。これは政府の「全国均一汚染」の意図に応じたもので、すでにルートができていると考えた方がよさそう。また小松島市は平成29年3月にこのような計画書を出していました。災害廃棄物には、「指定廃棄物」も含まれのにご注意。国立環境研究所が監修しているところがミソです。

小松島市災害廃棄物処理計画 - 国立環境研究所 災 …

https://dwasteinfo.nies.go.jp/plan/project_man/after_komatsushima_city.pdf

 市民に何も知らせないということは、癒着と汚職による公害事業の計画があるということ。従って、徳島広域の事業が完成すれば、核廃棄物が大手を振って流れてくるのは当然です。311による核汚染は、今も私たちにまとわりついているのです。

 

 とりあえずパブコメを

 今の段階で市民ができるのは、とりあえず二つのパブコメにたくさんの意見書(パブコメ)を出し、疑問に対する回答を厳しく要求することです。アセスの締め切りはもう過ぎましたが(1月8日)、素案のパブコメは明日の消印有効。現地の反対派の方々に、パブコメのポイントは送ってありますが、必要なら山本にコンタクトして下さい。

 この計画は極めて用意周到・卑劣な方法で進められていますが、予定ルートの地権者が反対している限り、事業は実施できません(裏で取引している場合もありますけどね…)。いずれにしても、住民・市民はいろんな情報を集めた上で、自分たちの権利が侵されることを認識し、公害事業と正面から立ち向かわないとね。第三者は助けてくれません。2019.1.16

関連記事:徳島市の広域ごみ処理施設ができる場所 (11/21)

 

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西胆振広域連合、ごみ処理広域化破談

 前記事の補足です。白老町は西胆振広域に参加するとばかり思っていたのですが、去年6〜7月に参加を見送る決定をしていました。おそらく市民の反対が強かったのでしょう。以下、関連記事(朝日新聞)です。

西胆振、ごみ施設広域化破談

2017/09/04  

■2市町、参加見送り

 西胆振地方で、7市町によるごみ焼却施設の広域化が破談となった。登別市と白老町が参加を見送り、室蘭市や伊達市など2市3町で焼却施設を更新することにした。広域化すれば地域全体で23年間に計23億円の経費節減につながるというが、室蘭、登別両市の住民や市役所間にある「対抗意識」も背景にありそうだ。

■住民「不便」、市は財政懸念 登別

 西胆振地方の室蘭、伊達、登別市など6市町は「西いぶり広域連合」を構成する。地域内にはごみ焼却炉が2カ所あり、広域連合が運営する「メルトタワー21」(室蘭市)と、登別市と白老町が運営する「クリンクルセンター」(登別市)だ。広域連合は今年2月、「メルトタワー21」の後継となる新施設を2025年度に供用開始する方針を決めた。白老町を含む7市町はごみ処理を広域化する協定を1999年に結んでいるが、登別市と白老町は今年6〜7月に新施設への不参加を決めた。

 登別市の試算によると、広域連合の新施設に参加すれば今後33年間で計12億6千万円、1年あたり約3800万円の経費削減となる。だが市は6月初めに6回開いた住民説明会で、「総合的に検討した結果」として不参加の方針を説明。計86人の参加者からも賛成意見が相次いだ。賛成の男性(84)は「お金の問題じゃない。自分でごみを持ち込む際に遠くなって不便だ」といい、このほかにも「地元の施設をなくせば市内の消費が6千万円減る」として賛成する意見もあった。渡部謙三さん(71)は国鉄分割・民営化の際にJRに不採用となり、「採用差別」として23年にわたって裁判で闘った。「雇用を奪われる苦しさを真剣に受け止めるべきだ」と、市の決定を支持する。一方、説明会では若い男性が「3800万円の財政的メリットがあるなら、広域連合に加わるのがいい」と述べた。だが反対意見はこの1件だけだったという。

■「同床異夢」 市役所間しこり

 2市町の不参加決定について、広域連合長を務める室蘭市の青山剛市長は「ぜひ一緒にごみ処理をしたいと調整をしたが、残念な思い」と話す。伊達市の菊谷秀吉市長は「不参加の決定が間違いだとは言わないが、悔いを残さないだろうか」と心配する。人口減少と高齢化が進む中、広域連携で行政コストを削減することは不可欠だと考えている。「地元の施設を残したいという感情論で、将来世代に負担をかけるように思えてならない。政治家は明日(将来)への責任を持つべきではないか」

 登別市によると、広域連合の新施設に参加した場合、建設がピークを迎える24年度の負担金が9億円にのぼって財政を圧迫すると判断したことも大きかったという。だが市職員からは「(広域化を主導する)室蘭への不信感が払拭できなかった」という声があり、広域連合事務局の担当者が「資料づくりの段階から同床異夢のように進んでいると感じた」と話すなど、しこりがあることもうかがえる。登別市の小笠原春一市長は、住民説明会について「高齢者からの意見が多かった」と認めており、「市側の説明や情報提供の機会が不足していた可能性もあるかもしれない」と、今後若い世代の意見を聴くことに含みを残している。

 西胆振地方では、室蘭と登別の合併構想が実現せず、室蘭、登別、伊達の3市にある消防本部を統合する協議もまとまっていない。室蘭工大教授を3年間務め、地域事情に詳しい永松俊雄・崇城大教授(公共政策学)は「地域住民にとって大きな損失を伴うだけに残念な決定。近隣自治体は対立ではなく、どう協働するかで生き残りを図るべきだ」と指摘する。 (三上修)

 破談を残念がる記事ですが、ごみ処理広域化は、所詮「民営化」。コストが下がることはないし、住民の利益になることもありません。また、この記事は、高齢者は頭が固くて広域化を受け入れようとしないが、若い世代なら賛成しただろう、と言わんばかりですが、これも間違い。合併が何をもたらすかを経験した世代でなければ、今回の広域化に反対できないのです。一方、権利を守るどころか、自分の権利にも気づいていない若い世代は、基本的に社会に無知であり、業界のコマにされやすい。投票権が引き下げられたのもそのあたりの政治的判断だったわけ。

 広域化や市町村合併は、いわば国内におけるグローバル化です。それは、個人の権利を弱め、地方自治の権利を奪い、行政を産業界のイヌに育てて初めて成立するのですが、それも市民運動を通して初めて見えてくるもの。動かない人には見えません。2018.12.16

 

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白老町、バイオマス燃料化事業廃止

  また一つ、「ごみ燃料化」事業が失敗しました。

 

 バイオマス燃料化事業廃止 10年間の負担19億円超−白老 

2018/12/15配信https://www.tomamin.co.jp/news/area2/15299/

 白老町が来年3月末で事業廃止の方針を打ち出したバイオマス燃料化施設について、事業廃止に伴う国への交付金返還や起債償還、今後の新たに生じるごみ処理費用や施設維持費などを合わせた10年間の町の負担総額は19億8800万円に上り、この間の事業収支は10億6809万円の赤字になることも明らかになった。戸田安彦町長は「結果として事業は失敗」「町民に説明した上でどんな責任の取り方をするのか考えたい」と述べた。

  13日の町議会定例会の一般質問で、前田博之氏(きずな)が、2009〜18年度の事業の収支状況や民間事業者へ事業譲渡できなかった場合の施設解体費用、再稼働に向けた施設維持費、事業廃止に伴うごみ処理費用などについて説明を求めた。(中略)

  前田氏は、多額の税金を投じたにもかかわらず事業が失敗に終わった結果責任をただした。戸田町長は「町民、議会に負担をかけた施設になった。結果として事業は失敗」と答弁。年明けに町民説明会を行い、事業廃止に至った経緯などを説明することとしており、戸田町長は「重大な責任は私にある。町民に説明した上でどんな責任の取り方をするのか考えたい」と話した。

 同施設は、家庭ごみなど一般廃棄物を高温高圧処理して固形燃料化する施設として総事業費14億円を掛けて整備し、09年4月に稼働開始。年間1万1000トンの固形燃料を生産する計画だったが、原料の塩素濃度が基準を超過。品質改善に向けた機能改善工事も行ったが、生産量は目標の半分程度となり14年4月に高温高圧機を停止させ事業を縮小した。こうした状況の中、昨年5月の会計検査院による実地検査の結果、交付金で整備した高温高圧機が稼働していないことが補助目的未達成と判断され、交付金の返還を求められていることから、町は来年3月末での事業廃止方針を表明していた。

 

 もちろん、これは決して白老町が言い出した事業ではありません。下の2008年の記事を見ると、国の「ごみ処理広域化計画」に乗り遅れた企業や学者が、実験段階にある新技術を小さな自治体に売り込んだことがわかります。おまけに施設は日本製紙の工場の中に建設するという異例・・・こりゃいったい何だ?

 

可燃ごみ98%燃料化 白老町がバイオマス施設を今夏建設 新技術の実証成功

20080511北海道新聞

 胆振管内白老町は今夏、日本製紙白老工場内に可燃ごみの98%を固形燃料化することができる「バイオマス燃料化施設」を建設する。高温高圧でごみを処理する新技術を導入、町内で発生する可燃ごみ全量の処理が可能で、年間一万一千トンの燃料を製造し同工場に売却する。来年四月から稼働の予定で、道も「安全性の高いバイオマス燃料化事業のモデルケース」(環境生活部循環型社会推進課)と注目している。新技術は、可燃ごみを最大三〇気圧、二三五度で加圧・加熱処理して、炭になる一歩手前の状態に変える。同町と北大、クボタ環境サービス(東京)などが連携して開発を進めていた。昨年十二月から始めた実験プラントでの実証実験では、約十五トンのごみから燃料約七トンを生成した。ペレット状にした燃料は一グラム当たり五千五百カロリー以上の熱量があり、重油や石炭より低いが、「ボイラー燃料としては高い水準」(関係者)を確保した。 可燃ごみの燃料化は、従来の製造法では工程が複雑で、発酵ガスによる爆発事故や燃料の品質が一定でないなどの問題が発生していた。新技術はごみを分子レベルで炭化状態にするため、原材料を問わず約五時間で均質な燃料ができる。発酵ガスの発生もなく、ごみに混入した不燃物などを除き、ほぼ完全に燃料化できるという新施設は総事業費約十四億円。年間約六千五百トンのごみに木くずや廃プラスチックを加えて計一万一千トンを日本製紙にボイラー燃料として売却する。また、同社からこの燃料で生産した電力と蒸気の供給を受け、ごみの加熱・加圧工程で活用するエネルギーリサイクルも行う。 燃料の売却価格は今後の交渉次第だが、新施設の稼働により、同町の年間ごみ処理費用約三億六千万円(二〇〇六年度)は今後十五年間で八億円程度削減される見込み。さらに、最終的に埋め立て処分されるごみも、現状の四割に減るという。 白老町の飴谷長蔵町長は「循環型社会の実現を推進する取り組み。廃棄物処分場が使える期間が大幅に延びる」と利点を強調している。

 

 かくて、ごみの全量処理も、「燃料」製造も、それを売って町の収入にすることも、すべて失敗。安全性についても、プラスチックを含めた有機ゴミを高圧高熱で処理すれば大量の有害ガスが生成されるのは常識だから、相当な環境汚染も発生していたはずです。白老町については白老町の広域参加 | WONDERFUL WORLD(2017年5月)でも書きましたが、どうもだまされやすい自治体のよう。なお、白老町に限らず、職員のレベルが低く、なのに傲慢という自治体は企業につけこまれやすいので注意しましょう。

 

 しかも白老町にとって不幸なことに、町が参加を検討していた西いぶり広域連合のゴミ処理施設は、あいつぐ火災で瀕死の状況なのよね・・・なお、火災の様子はyutubeにもあがっています。

メルトタワー火災修繕に2790万円、分別徹底訴え【室
2018/08/2 4www.hokkaido-nl.jp/article/7429  西胆振地域廃棄物広域処理施設「メルトタワー21」(室蘭市石川町)で今年火災が5回相次ぎ発生した問題で、機器の修繕費が約2790万円に上ることが分かった。粗大可燃ごみクレーンに大きな損傷を受けていたことも判明。施設を運営する西いぶり広域連合は「適切な分別を」と呼び掛けていく考えだ。広域連合と室蘭市消防本部によると、メルトタワーでは4月23日の不燃物をためる「不燃粗大ごみピット」で鎮火まで16時間を要した火災を皮切りに、5月1日に最終処分場仮置きごみ場で煙が上がった。また、6月には3回連続して火災が起きた。19日は可燃ごみを一時的にためる「貯蔵ピット」から火の手が上がり、次いで23日に不燃粗大ごみを細かくする粉砕機とそのごみを搬送するコンベヤーでぼやが発生。27日には粗大鉄の一時保管ヤードで起きた。火災の影響で、修繕費は当初の見積もりに比べ約300万円増えた。施設内の粗大・可燃ごみの両クレーンのほか、操作室のガラスやバグフィルター(ろ布)が損傷した。このほか、破砕装置、ごみピットの電動シャッター、火災報知器、屋内消火栓、プラットホーム、送風機の計11の機器類に修繕が必要な事態となった。 (後略)

 火が出たのはいずれも貯蔵ピットや保管ヤードなど、そして五件の火災のうち四件までが原因不明であることを考えると、怖くて使い続けられません。これは、大量のごみを集めて巨大焼却炉で処理するという、「ごみ処理広域化」がどれほど間違った処理法であるか示しています。そして、自治体からごみ処理の権限を奪い、RDFを含めたこの広域化計画を押し付けたのは環境省と、その背後にうごめいている廃棄物業界だから、「失敗」の責任を負うべきは焼却炉メーカー、無責任学者、そして環境省ですが、裁判所は企業の味方だし、自治体側も及び腰(裏金をもらっていればなおさら)。ここは市民がしっかり事件を追究するしかないでしょう。2018.12.16

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馬頭山処分場に反対署名を(台湾)

 台湾の友人から、景勝地をごみの最終処分場にする計画に対し、グローバル反対署名に協力してほしいとの連絡がありました。

 現地は↓の一番最後のアドレスをクリック、「月世界」と呼ばれる特異な景観が広がっています。

土地有了、環評過了 耗十年仍爭議不斷 

台湾の住民運動はかなり強力で、原発政策も住民の力で中止させましたが、この処分場計画も住民が五年以上にわたって激しい反対運動を続けています。どうぞみなさんの署名をお願いします。2018.12.08

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  台湾南部には「龍池」と「馬頭山」という二つの名勝があります。両方とも豊かな生態系に恵まれ、野生生物の宝庫として知られています。ところがこの二つの地域は、政府系企業と民間企業によるごみの最終処分場の予定地とされているのです。この計画を許せば、貴重な自然と美しい景観は二度と戻ってきません。

 私たちは「ごみの最終処分場」にふさわしい土地などないと考えています。なぜなら、ごみを燃やし、その灰を埋め立てるというのは誤ったデザインだからです。
 まず、処分場の底に敷くプラスチックシートは廃棄物の重みなどで必ず破れるし、浸出液が地下水や土壌を汚染します。破れないと仮定しても、ごみの層を通った汚染水は周囲にあふれ出し、大雨がふると近くの水系に流れ込んで川の上流を汚染します。
 次に、処分場ではごみを捨てるたびに清浄な土で覆土しなければなりませんが、この方式は本当に廃棄物がそこに持ち込まれたのかどうか確認が難しく、不正直な業者の場合、不法投棄が増えかねないのです。
 また、将来、技術の進展によって、処分場に埋めたごみを掘り返し、再度リサイクル処理などを行うといいますが、そのような「逆処理」は、さらに多くのエネルギーと費用がかかり、土にまみれたごみは、もはやリサイクルできなくなっているはずです。(中略)処分場は「ごみゼロ」の原則に会いません。
 ごみゼロは、まずごみを減らすこと、次が再利用、そしてリサイクルとなるので、ごみにしかならない(再利用もリサイクルもできない)ものを生産すべきではないのです。
 このような観点で処分場に反対している私たちに、どうぞ世界の市民として、あなたの力を貸してください。豊かな自然景観を守り、環境を汚染せず、将来世代に責任を果たせるようなごみ処理を行うよう、台湾政府に求めてください。
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徳島広域ごみ、「反対」無視して今年度中に基本計画決定

 自治体間の不均等・不公正を拡大し、汚染の再生産を増長させる「広域ごみ処理」。でも、住民がそれらの問題に気付くのはずっと後の話で、計画段階ではあたかも「何も問題がない」ような形で進められます。

 

広域ごみ施設整備負担額 石井25億円 徳島市が計画案公表

11/30 14:00 http://www.topics.or.jp/articles/-/132166

  徳島市は29日、周辺5市町と計画を進める広域ごみ処理施設の整備を巡る各市町の負担額を市議会文教厚生委員会に示した。徳島、小松島両市以外の4町の負担額が明らかになるのは初めて。維持管理費の増加などを理由に、生ごみを使うバイオガス化施設の整備を見送ることなどを盛り込んだ基本計画の素案も公表した。本年度中に基本計画を策定し、2027年度の利用開始を目指す。

   用地取得費などを除いた事業費は概算で約444億円。国の交付金などで賄う分を除くと6市町の負担額は計約200億9千万円となる見通しで、各市町の負担額は均等割、人口割で算出した。徳島市90億7千万円▽小松島市34億5千万円▽勝浦町9億円▽石井町25億1千万円▽松茂町17億4千万円▽北島町24億2千万円―となっている。施設は徳島市飯谷町枇杷ノ久保の民間採石場を最有力候補地とし、熱回収により発電する焼却施設とリサイクル施設を整備。焼却炉の処理方式は建設費が比較的安価な「ストーカ方式」を採用し、処理できるごみの最大量は1日当たり396トンと想定している。バイオガス化施設では生ごみを原料にメタンガスを発生させて発電に利用できるが、維持管理費がかかるとして導入を見送る。委員会では、武知浩之氏(朋友会)が事業費について「用地取得費を含めると大きく膨らむのではないか」と質問。森井嘉一氏(交志会)は「バイオガス化施設の整備を見送ると再資源化に対応できない」と指摘した。谷口出穂環境施設整備室長は「想定外に上がらないと考えている。熱回収による発電などで再資源化は可能だ」と答えた。市は基本計画の素案について、12月中旬からパブリックコメント(意見公募)を行う。

 市はこの基本計画素案で、「最有力候補地」として徳島市飯谷町枇杷の久保 11.7haをあげ、地形は「採石場、概ね平坦な地形、下の道路から約30m上がったところにあり。資材等置き場として利用」などと記しています。

http://www.city.tokushima.tokushima.jp/kurashi/recycle/keikaku_gomi/dwfacilitybasicplan/meeting_5th.files/gidai_1-image.pdf

 ごみ処理の問題を知らない人は、これを読んで、「あ〜新しい施設ができるんだ」「まあ、妥当な土地では」と思うかもしれません。でも、この土地はひどい汚染をもたらしている産廃処理施設の隣接地であり、周辺住民はすでに長年にわたり、その汚染への対応を求めてきました。徳島市はその声を聞き届けるどころか、さらなる汚染をもたらす計画を実行しようとしているのですが、地元紙でありながら、徳島新聞は一切、そのことを書いていない。こうして行政に協力しているのですね。

 腹が立つのは、この予定地のすぐ隣にある美しい鳴滝とハイキング道橋は、すでに産廃施設に侵食され、一部産廃などが散乱していること。この鳴滝はとくしま市民遺産の一つであり、市民が将来に引き継ぐべき宝物とされているのに、その隣を汚染源にしといて、いいの?と言いたい。 

鳴滝

鳴滝、じゃらんでも「夏に訪れたい場所」の一つに推薦していた(https://www.jalan.net/news/article/98838/2)

 

 この基本計画が決まった後になって、問題に気づいた人々が「なぜここなんだ?」「どこで決めたんだ!」と怒り始めるわけですが…実際は、計画策定までの間、住民がおとなしくして、反対さえしなければ、場所はどこでもいいのです。たとえ反対運動があっても、有効な動きができない場合、行政はむしろその運動を利用して「条件闘争」へ向けるもの。その一方、行政側はイエスマンだけの「学識者」「市民」を集め、何度も形式だけの「会議」を開き、いかにも合法的に見えるように計画を固めてゆくもの。

 山本はこの前段の計画(予定地佐那河内村、村民の反乱でつぶれた)にかかわり、徳島市などで、計画が決定されるまでの経緯をじっくり聞きだしました。その結果、誰がいつどう関与して、計画を固めて行ったのかを示す資料はないこと、担当者でさえ文書の記述や組織などについて説明できないことを確認してきました(予想通りでしたが)。

 ごみ処理施設は「生活に欠かせない」と言いながら、その建設計画は、法律から離れて根拠を示せない形で練られ、市民に押し付けられているのです。これは徳島市に限らず、他の地域でもすべて同じ。なぜなら、廃棄物処理施設はすべて利権に関係しているし、公害源として法定されている(廃棄物処理法、大気汚染防止法など)ため、住民に知らせないのが最も都合がいいからです。

 また、この徳島広域の基本計画は、それを審議する市民会議は単なる通過儀礼であり、すでに来年3月までに決定することまで決まっていました。それを示すのが下の資料。徳島広域ごみ処理施設は、飯谷町民だけでなく、多くの徳島市民の不安を無視して強行されることはほぼ間違いありません。

 わずか二週間のパブコメ期間中、市民はできることをやらないとね。2018.12.4

 

 

 

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鳥取県、廃棄物審議会は解散を

鳥取県が建設を予定している産廃処分場計画で(これ自体が廃棄物処理法違反)、またまた日本海新聞がおかしな記事を書いています。・・・といっても、県廃棄物審議会の審議そのものが噴飯ものなんですけどね

 住民と事業者調整継続へ 県廃棄物審議会 歩み寄りは困難か 

(日本海新聞H30.11.13

   鳥取県廃棄物審議会が12日、倉吉市内で開かれ、米子市淀江町小波での産業廃棄物管理型最終処分場の整備に関する事業者と関係住民の調整状況について協議した。怒号が飛び交い「冷静な対話が困難」として流会した一部自治会と事業者との調整会議について、県は再度、会議の開催を自治会側に要請していく考えを示した。 流会したのは今月4日の調整会議。県は事業者と関係住民の対話を促す立場から「もう一度、会議に応じていただくよう自治会側と調整していく」としたが、委員からは「同じことが繰り返される可能性がある」との意見が出た。回答を保留している水利権者1人にも日程調整を働き掛ける。ただ、双方の意見の隔たりは大きく、歩み寄りは困難な情勢だ。 審議会では、101328の両日に開いた別の自治会と営農者2人との調整会議の内容も報告。事業者の対応は十分だが、関係住民の理解を得ることは困難との見解をまとめた。審議会の田中勝会長は「基本的に事業者は丁寧に真摯に対応している」と述べた。 県条例では、関係住民の理解を得ることが困難な場合、意見調整を終結できる。仮に合意形成を目的とした条例の手続きが集結すれば、事業者は廃棄物処理法に基づく許可申請手続きに入り、県が設置の許認可を判断する局面に入る。

 

 特定の地域、特定の人々にしか説明せず、その説明も十分ではなく、答えられないことがほとんどなのに、委員は「事業者の対応は十分」「丁寧に真摯に対応している」が述べているのは言語道断。これは、審議委員が実際に説明会の現場を見たことも、長年廃棄物処分場に悩まされてきた住民の生の声を聴いたこともないからでしょう。彼らは本来、「産廃処理は産廃事業者にまかせるべき」「この事業は廃棄物処理法違反だ」と言わなければならないのに、わずかの委員報酬と引き換えに、事実を無視し、県に都合のいい回答を用意しているだけです。その報酬は税金から支出されている以上、住民はかれらの間違った発言に抗議し、この審議会の解散を求めるべきでしょう。

 さらに、この記事の「条例手続きが終われば(記事には誤字あり)廃棄物処理法にもとづく許可申請の手続きに入る」とあるのもウソ。しかも、住民をあきらめさせることを狙った確信犯的なウソです。なぜなら、予定地にある米子市有地をどうするのか、その議論が一切されていないのに、廃棄物処理施設の許可申請手続きに入るなんてありえないからです。しかも、市民はそのことについて、くり返しくり返し説明を求めている。議会でも議論になっている。それを「次の手続き」になんて入ったら、米子市公有財産管理規則違反、地方自治法違反、憲法違反ですよ。そうなったら、地元住民はすぐに知事と市長(…ったくダメ市長)、環プラを市有財産侵害で告発しなきゃね。2018.11.18 

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米子産廃、意見調整会議、4分で「流会」

 鳥取県が建設しようとしている米子市淀江町小波の産廃処分場、このあからさまな廃棄物処理法違反の事業については、本ブログでも繰り返しお伝えしてきました。この地域の最大の問題は、地元住民の反対の声が、特定政党と特定グループに抑え込まれて事業者や自治体に届かない状況になっていたことでした。でも、ここにきて、大きな変化が起きたようです。

 米子の産廃処分場計画 意見調整会議が混乱 11/5

 鳥取県など出資の第三セクター・県環境管理事業センターが米子市淀江町小波で建設を計画する産業廃棄物最終処分場を巡り、県と関係住民との意見調整会が4日、米子市糀町1丁目の県西部総合事務所であった。住民側が資料の開示がないとの理由で開催延期を求めるなど混乱し、県は会議を途中で打ち切った。 建設予定地から半径500メートル以内の住民が対象。県は、6自治会のうち2自治会と一部住民から理解が得られていないとして、県条例に基づく意見調整会議を今年5月から計5回実施している。【詳しくは本紙紙面をご覧ください】

 実はこの会議、住民の激しい批判で開始からわずか4分で「流会」となったそうです。穏やかで争いごとを嫌う地元住民のことを知っている私には、この行動は驚きでした。でも、彼らが開示を求めていたのは、自分たちが参加し、発言した過去の議事録で、当然、公開されて当然の資料だったのです。ところが県はその公開を拒み、それが住民の不信感と怒りに火をつけたのでしょう。

 思いおこせば、私が現地入りした2017年初の時点では、住民は事業に怒りを持つどころか、計画そのものさえほとんど知らなかったのです…その後、地元の女性たちが住民教育を開始し、漁業者が「漁業権」を盾に事業に反対を表明し、自治会単位で過半数の反対署名を集めて県市に送り付けるなどしたことから、反対のうねりが大きくなってきました。

 もちろん、ことあるごとに、その「まともな」反対に竿を指す動きもありましたが、大丈夫。普通の市民は、何らかの政治的意図がある運動と、市民感覚をベースにした「まともな」運動を見分けることができるものです。

 今、米子の人々が知らなければならないのは、この事業は、基本的に違法であり、本物の専門家なら、最初からその「違法性」を批判しなければならないということです。2018.11.7

 


 

 

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プラごみもっと燃やせ―環境省

 昨日の今日という感じですが、案の定、環境省はプラごみを「焼やして処理」するようです。それしか頭にない。

 

プラごみ処理施設の支援強化へ 環境省、補助金で後押し

20181018 1837 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018101801001606.html

 環境省は、中国のプラスチックごみ輸入禁止により処理業者のごみ保管量が増加していることを受け、処理施設の新増設支援を強化する。2019年度予算で、業者への補助金を前年度当初比3倍の45億円に増やす方針だ。18日発表した影響調査でも、25・5%の自治体が、業者によるプラごみ処理施設新設の動きがあると回答。11・3%で業者が施設の処理能力増強を図っているとした。調査には102自治体が答えた。日本は、年間約150万トンを輸出、処理を海外に任せている。昨年まで、うち半分程度を中国が受け入れていたという。(共同)

 

 アジアの国々は、「環境汚染、健康被害」を恐れてプラごみを拒否しているというのに、日本では「燃やせ」なのは、市民の反応がないからでしょうね。でも、プラごみは、埋め立てれば土壌汚染を、水に流せば水質汚染を(特にマイクロプラスチック)、そして燃やせば大気汚染をもたらし、人間にも動物にも深刻な影響をもたらすのはわかりきっていること。各国では、市民を巻き込んで大気汚染をなくす取り組みが実施されていますが、日本は、ね〜(自虐的になるので、もう書くのもうんざりです)。

 

 プラスチックの生産量は毎年1000万トン以上(2016樹脂生産量、https://pwmi.or.jp/pdf/panf2.pdf)。廃プラの総排出量は約900万トン、その三分の二の約600万tが焼却されています(出典:同上、サーマルリサイクル517万t、単純焼却80万t)。サーマルリサイクルとは「熱利用」すればリサイクルという解釈で、これによってプラごみ焼却に伴う罪悪感やリスクなど存在しないことにしてしまったのです。その結果、国民の3分の1が何らかのアレルギーを持っているという恐ろしい事態になっていますが、その原因を追究する動きもほとんどない。

 これほど焼却処理に何の抵抗もない国だから、今回、行き場のなくなったプラごみ150万トンも、必ず焼却処理されるでしょう。各自治体はプラごみ焼却にもっと危機感を持ち、市民を教育しないと、状況はもっと悪化するはずです。

 

 いずれにしても、アジア各国に処理を押し付けていたプラごみ150万トンは決して少ない割合ではありません。押し付けられた方は学習するけれど、押し付けた方は何の教訓も得ない・・・あ、これって日本の侵略戦争の構図と同じですね。そういえば、私、以前は「アジアへのごみ侵略、焼却炉侵略」というテーマで文章を書いたり、講演したりしていましたっけ。でも、日本でごみ問題をやっている人はほとんど国際問題に興味がなく、国際性のなさにほんとにがっかりしたものです。2018.10.19

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増える自治体のプラごみ、どうする?

 中国がプラごみ受け入れノーを打ち出した時から、何か手を打たないと国内のプラごみが増えて困る事になるのはわかっていました。でも、環境省も自治体も、そして何より製造業者も、まるで何事もなかったかのように、プラスチック製品を作り続け、何も気づかない市民はそれを使い、廃棄し続けていました。その結果がこれ↓です。

 

プラスチックごみ 中国の輸入規制受け25%の自治体で保管増加

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181018/k10011675641000.html?utm_int=error_contents_news-main_004

ペットボトルなどのプラスチックごみについて、中国などが輸入を規制したことを受け、環境省が国内の廃棄物処理への影響を調査した結果、4分の1の自治体が、業者に保管されている量が「増加した」と回答し、基準を超える量を保管していたケースもあることがわかりました。環境省によりますと、国内で出たプラスチックごみの一部は、主に中国に輸出されリサイクルされてきましたが、中国が環境汚染を理由に去年12月末に輸入を禁止し、その後、タイやベトナムなども受け入れを規制しました。これを受けて環境省はことし8月、産業廃棄物の処理業者と業者を監督する都道府県や政令指定都市などを対象に調査を行い、28.9%にあたる175の業者と83.6%にあたる102の自治体から回答を得ました。それによりますと、管内の業者に保管されているプラスチックごみの量が、去年12月までと比べ「増加した」と回答した自治体は24.8%で、基準を超える量を保管していたケースも5件あったということです。また、リサイクルや焼却などを行う中間処理業者のうち半数を超える56%がプラスチックごみの処理量が「増加した」と答え、受け入れ制限を「行っている」か「検討中」と回答した業者は、処理業者全体の合わせて34.9%でした。環境省は、処理が追いつかなくなれば、不法投棄など不適切な処理が行われるおそれがあるとして、処理施設のさらなる活用や整備を進めることにしています。

 

 アジアの途上国は、先進国から押し寄せるプラごみや電子ごみ(e-waste)による環境破壊、水質汚染、大気汚染に長年、苦しめられてきました。このような先進国→途上国の越境公害を防ぐため、バーゼル法(バーゼル条約)によって有害廃棄物の国境移動は原則禁じられています。しかし、先進国は、「リサイクル」を名目として、事実上有害廃棄物を途上国に処理させる戦略を展開したため、「豊かな国」の有害廃棄物は、処理コストが安く、環境法制がないに等しい途上国にどんどん流れて行ったのです。

 その増え続けるごみ処理のためとして、先進国はさらに、途上国に焼却炉を売り込み始めたことから、一般市民が反発し、各地で住民が焼却炉計画をつぶす事態となったのです。中国では、ストックホルム条約やバーゼル条約、水銀条約など汚染関連の情報を自国語で検索できるので(中国語は国連の公式言語)、「クリーン」「ダイオキシンが出ない」などというウソには騙されません。特に、子孫を大事にする中国人にとって、ダイオキシンを出すごみ焼却炉は許せない施設であり、反対運動も過激になります。

 それを裏付けるのが、大気汚染で7百万人が死亡するという昨今のニュース↓

 

大気汚染で700万人死亡 WHO :日本経済新聞

2018/05/02  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30063740S8A500C1CR0000

【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)は2日、微小粒子状物質「PM2.5」などによる大気汚染が世界的に拡大を続けており、肺がんや呼吸器疾患などで年間約700万人が死亡しているとみられると発表した。世界人口の約90%が汚染された大気の下で暮らし、健康被害のリスクがあると指摘。WHOのテドロス事務局長は「早急に対策を取らないと世界の持続的な成長は困難になる」と警告した。特に汚染が深刻なのはアジア・アフリカを中心にした低・中所得国で、大気汚染による死者の90%以上を占めるとした。一方、欧州や北米、日本などの高所得国では汚染度は低いとした。WHOは世界4300以上の都市などの観測結果を分析。中東や南アジアではPM2.5やPM10がWHO基準の5倍を超えた国が目立った。アフリカや東南アジアの低・中所得国の汚染度も高かった。

  また30億人以上が質の良くない燃料の使用により屋内で汚染にさらされており、その大半が女性や子供だと指摘した。健康被害については、2016年には屋外汚染で約420万人、屋内汚染で約380万人が死亡したと推定。12年には屋外、屋内合わせて計約650万人としていた。WHOは「大気汚染の対策に国境はない。各国が協力してクリーンな再生可能エネルギーの開発などに取り組む必要がある」と呼び掛けた。〔共同〕

 

 この記事は、大気汚染を口実にしたWHOの再エネキャンペーンですが、大気汚染=殺人なのは、ロンドンのスモッグから四日市公害までよく知られた事実。これらの状況を背景に、アジア各国ではプラごみ及びプラごみ焼却への反発は高まる一方なので、今後、業界がどのような手を使おうと、アジアの国々が先進国のゴミを受け入れる可能性はありません。

 したがって、事態がここまで切迫した今、日本でできるのはプラ製品の生産・流通・廃棄規制しかありません。

 そこに手をつけないで、「処理施設のさらなる活用や整備」? ふざけるんじゃない。これ以上、焼却炉を増やして、日本人の健康を害する権利は行政にも事業者にもない。さっさと、プラ製品生産を規制するための手を打つしかないのです。対処が遅れれば遅れるほど事態は深刻になり、そのうち、先進国内でのババ抜きが始まることでしょう。2018.10.18

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クジラのほんとのメッセージ

 素晴らしい宣言だと思いますか? でも、今の行政は市民のためではなく、資本と企業のために仕事をしていることを知れば、上の「宣言」が、プラスチックや容器製造業には迷惑をかけないよ、との意味であることに気づくでしょう。

 クジラのほんとのメッセージは「プラ製造は止めて」のはず。

 ある物質が環境を汚染することがわかっている場合、汚染をなくす最善の方法は、その物質の生産・製造を止めることです。でも、神奈川県がやろうとしているのは「利用廃止」と「回収」で、問題の解決になりはしない。それどころか、プラごみゼロの公共事業を行うとなれば、回収やリサイクル事業には多額の補助金が支払われることなり、プラ製造はかえって勢いづくでしょう。市民の方もこの「宣言」に安心して、プラ製品を買うことに何のためらいもなくなるでしょう。同じことは以前も起きました。容リ法の施行によって、小型ワンウェイのペットボトルが激増し、結局ペットボトルを含むプラ製品の焼却処理が当たり前になったのです(一部リサイクル。以前はそのまま埋め立てていた)。

 しかも、これはグローバルアジェンダにもとづく国策です。それを示すのが、上記「宣言」一行目の「SDGs推進に向けて」という言葉。なお、SDGsとはSustainable Development Goals の短縮形。SDGsについては、内閣府地方創生推進事務局が説明しています。

環境モデル都市・環境未来都市・SDGs未来都市 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kankyo/index.html

 世界的に進む都市化を見据え、持続可能な経済社会システムを実現する都市・地域づくりを目指す「環境未来都市」構想を進めています。環境モデル都市は、持続可能な低炭素社会の実現に向け高い目標を掲げて先駆的な取組にチャレンジする都市で、目指すべき低炭素社会の姿を具体的に示し、「環境未来都市」構想の基盤を支えています。環境未来都市は、環境や高齢化など人類共通の課題に対応し、環境、社会、経済の三つの価値を創造することで「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力あるまち」の実現を目指す、先導的プロジェクトに取り組んでいる都市・地域です…(以下略)。

 2030年を期限にこのアジェンダを実現するために、17の目標及び細分化された169のターゲットを決め、地方自治体をそこに向けて突っ走らせるというのがグローバルエリートの計画です。(地方創生に向けた自治体SDGs推進事業について(PDF形式:10,683KB別ウインドウで開きますこれまで完全に「地方自治」の分野だった町づくりなども今やグローバルターゲットの構図の中に取り込まれているのは、すべてが企業主導(=グローバル資本)の事業として展開されるため。そのために「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」が創設されていますが、その事務局は蟷杏総合研究所地方創生事業本部。もちろん、青写真を描いたのも企業でしょう。

 市民がまったく知らないうちに、こうしてすべての行政の事業は、実質的には企業に乗っ取られ、企業の利益のために実施されています。上の「プラごみゼロ」の背景にあるのも企業の都合。それまでプラ廃棄物を一手に引き受けていた中国がプラごみ輸入を禁止し、その他のアジア各国もそれにならったため、日本のプラごみの行き場がなくなった。一方、マイクロプラスチックはそれ以前から世界的に規制を求める声が高まっており、日本に向ける目も厳しくなっていた。そこで日本の製造業は、このSDGsの枠組みに乗り、「プラ製造に打撃を与えず」「プラごみを合法的に処理する(=焼却し、バイオ発電などと称する)」という一挙両得作戦を思いついたわけ。アジェンダ2030は極めて危険な未来図です。2018.9.21 

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