WONDERFUL WORLD

ジャーナリスト、山本節子の環境問題のブログです。テーマは農薬、化学物質、環境汚染。特に今、ワクチン、GMO、放射性廃棄物、再エネ問題と格闘中。連絡はコメント欄(非公開)か、hanghau*hotmail.comからどうぞ(*を@に変えてね)。
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戻っておいで〜汚染地に「基準を引き上げたから、安心だよ」

 …いずれこういうことを言い出すとは思っていましたが、行政機関ではなく、汚染を「規制」する側がそれを口にするとは。

除染基準「引き上げるべき」規制委員長が表明
http://www.sankei.com/life/news/180117/lif1801170068-n1.html
2018.1.17 20:09
 産経新聞

 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は17日の定例会合で、除染の目安とされている空間線量「1時間当たり0.23マイクロシーベルト」について「実証データから1マイクロシーベルトの所に居住しても年間の被曝線量は1ミリシーベルト以下になる」と指摘し、「改めないと帰還や復興を阻害する」として環境省は引き上げを検討すべきとの考えを示した。更田氏によると、帰還者らが身につけた線量計の実測値で判明したという。自ら同省に働きかける考えを示したほか、事務局の原子力規制庁は「どのような場でメッセージを出していくか検討する」としている。

 実証データも何も、行政のデータはみな作為的、放射性廃棄物(鮫川村)の焼却実験のデータはほぼ墨塗りであることは、山本も実体験しています。それに、廃炉・事故処理作業にあたる労働者の被爆に関してはデータも出さず、子どもの甲状腺がんに至っては福島県と共謀して、原発事故との関係を完全否定。

 今、福島県の子どもたちの193人が甲状腺がんを発症しています。この問題をずっと追っかけているサイト「福島原発事故の真実と放射能健康被害https://www.sting-wl.com/fukushima-children15.html」によると、その分布図は以下のとおり。

福島県子供の甲状腺がん市町村別地図の2017年6月30日版と2017年9月30日版の比較

 

「福島県の発表は甲状腺がんを、悪性…悪性とはがんのことですが『悪性ないし悪性の疑い』という言葉を使い、あたかも甲状腺ガンでない子ども達もこの中に含まれているように書くことで、焦点をぼかしチェルノブイリ原発事故との比較を困難にしています。
しかし手術を終えた160人の中で、良性結節だったのはたった1人にすぎず、157人が乳頭癌、1人が低分化癌、1人がその他の甲状腺癌との診断です。つまり『悪性ないし悪性の疑い』のうち99%は小児甲状腺癌でした

 

 同サイトによると、かつて「100万人に一人」といわれていた小児甲状腺がんは今や100倍以上に増えています。これは、原発事故が起きると、子どもがまっさきに被害者になるという証明でもあります。

「福島原発事故前まで日本国における小児甲状腺がんは年間100万人に0〜3人で推移してきました。しかし今回の福島県の調査では年間100万人に301〜401人と従来の100倍を超える小児甲状腺がんが見つかっています。

100万人に0〜3人→100万人に301〜401人」

 ところが昨年、それまですべて公開されていた小児甲状腺がんの発症者が住む市町村名は、突然、非公開となったそう。

「市町村名はすべて非公開になった…事のいきさつは、こうです。2017年6月5日の福島県の県民調査検討委員会の席上。今まで福島県内の甲状腺がん患者数を59市町村別で発表していたのに3本格検査からは市町村名はすべて非公開とし、福島県を4つの地方…具体的には中通り地方、浜通り地方、会津地方の3地方と避難区域等に4つに分割して発表すると福島医大の大津留晶教授が一方的に宣言」したとのこと

 またもや福島医大! なぜその時点で、突然市町村名の発表を取りやめたのか? 子どものプライバシーを守るためとかなんとか言ったようですが、そりゃないでしょう。このサイト主は、次のように推測しています。

「今まで甲状腺がんの子供が見つからなかったのに新たに甲状腺がんの子供が発見され、その市町村に配慮するために福島医大が市町村別を廃止したと仮定します。すると13町村だけが残ります…これは私の単なる推測ですが、ひょっとすると飯館村で甲状腺がんの子供が見つかったのではないか?私はそう考えています。」

中通り地方
国見町、小野町、矢祭町、浅川町、古殿町、天栄村、鮫川村、玉川村
避難区域
双葉町、広野町、楢葉町、葛尾村、飯舘村

 そうかもしれません。飯舘村で小児甲状腺がんが出たことがわかったら、すべての「避難民帰還計画」がダメになるからね。なお、私は「鮫川村」で見つかったのかもしれないと考えています。いろんなごまかしを重ねて放射性廃棄物の焼却実験を行い(その過程で爆発事故まで起こした)、終わったらさっさと解体して証拠隠滅を図った(そのデータは前述どおり、ほとんど非公開)。

 地形の関係から比較的汚染が少なかったといわれていた鮫川村、そこで、小児甲状腺がんが発症したとしたら、そりゃあ放射性廃棄物の焼却との関係を指摘するのが妥当な線でしょう。・・・あの下劣で不正直な鮫川村の市長や職員を考えると(環境省はもっとひどい)、自分たちの身を守るためならどんなことでもやらかすはず。

 原子力規制委員会が除染基準をあげろ、というのはいろんな問題をみんなぐちゃぐちゃにして上昇した汚染を「標準」とみなすことにする、という意味です。これって犯罪じゃないの? 2018.1.31

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もともと禁じ手だった核ごみの地下埋設処分

 核ごみ地下埋め立てについてもう一つ書いておきます。それは、原発が日本にて導入された当初、産官学を含むすべての関係者は、核廃棄物の地下埋め立ては絶対に避けるべき「禁じ手」であることをちゃんとわかっていた、ということです。

 それが明記されているのが、1962年4月に原子力委員会廃棄物処理専門部会が出した「中間報告」。この部会では、一年にわたって、(射性廃棄物の処分・処理についての基本方針、IAEAが出した海洋投棄勧告案等を検討していましたが、その中間とりまとめは次のようなものでした。(全文は⇒http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V07/N05/19620506V07N05.htm

1.基本的な考え方

(1)原子力開発を推し進めるに際して、放射性廃棄物は不可避の副産物であるが、これによるわれわれの生活環境への汚染は、できうる限り避けることが望ましい。したがって、現在の知識から安全であることが保証されないような場合には、放射性廃棄物の処分は監視が可能で安全な環境内にとどめるべきである。

(2)一般に放射性廃棄物の処理、処分を具体的に確立するためには、処理、処分によって一般環境の汚染の許される限度を設定することが要請される。この点についてはICRP勧告においても概念的に指摘しているところであるが、放射性廃棄物の処理方針としては、国民線量の立場から放射性廃棄物に対して線量の割り当てを決定することが望ましい

(3)わが国における放射性廃棄物の国内的廃棄についてはICRP勧告に沿って法律により規制しているが、放射性廃棄物の処分とくに海洋投棄については国際的にも深い関連があるので、国際的視野において確立すべきであり、またわが国における海洋利用の特殊性よりみて慎重に実施すべきであろう

(4)放射性廃棄物の処理、処方の分法については、まだ未解決の分野があるので、今後さらにその研究開発を積極的に推進する必要がある。

 原発の「負の面」をはっきり認めていたわけです。つまり、「原発を続ける限り、必ず毒性が強い廃棄物が生み出されるが、それらを安全に処理・処分する方法はまだ確立していない」。そこで、「核ごみによって一般環境が汚染されるのは避けられないため、放射能汚染の上限値などを決め、国民の被ばく限度も決めておこう」という基本方針を決めたというわけですね。その上で、彼らは核推進の二大組織であるIAEA(国際原子力機関)とICRP(国際放射線防護委員会)の勧告にもとづいて、次のような「最終処分」の方式をまとめます。これがすごい。

 

(3)最終処分方式

 高レベルの放射性廃棄物の処分方式としては現状では閉じ込め方式を原則とすべきであることは前述どおりであるが、現在各国が行なっているタンク貯蔵等の閉じ込め方式は常に監視を必要とするので最終的処分とはいえない。したがって処分を行なった後は管理を要しない段階の処分方式すなわち最終処分方式を確立する必要がある

 この最終処分方式としては次の2方式があげられる。

i)容器に入れて深海に投棄すること。

ii)放射性廃棄物を人の立ちいることの不可能なかつ漏洩の恐れのない土中に埋没したり、天然の堅牢な洞窟あるいは岩石層に入れること

 日本政府の「廃棄物」に対する姿勢を、これほどよく説明している文章はないでしょう。廃棄物の埋め立ては、英語ではlandfillといい、「埋め立て」の意味しかありませんが、日本語の「最終処分場」は、「監視も管理も不要処理法」、つまり「埋めて捨てる=後は知らんよ」ということを意味しているのです。そして、上のヽっ翕蟯か、土中埋設のうち、選ばれたのは,任靴拭

 

 「これらの方式については放射性廃棄物の最終処分の問題の重要性にかんがみ、経済性、安全性について最も望ましい方式を確立するため、大きな努力を払って研究を進めなければならないが、国土が狭あいで、地震のあるわが国では最も可能性のある最終処分方式としては深海投棄であろう。このため、海洋投棄を目標として処理方式および容器等についての総合的な研究開発を強力に行なう必要がある。なお、現状では容器に入れ海洋に投棄する場合でも、廃棄物は低および中レベルのものに止めるべきで、高レベルのものについてはその研究の進展により、安全性が確認されるまでは行なうべきでないと考える

 現行の放射線障害防止法では、放射性廃棄物の土中埋没は認められていない。わが国における地下水の分布とその利用状況、人口の分布状況などからみて、放射性廃棄物の土中埋没による処分は好ましい方法ではなく、今後も現行法通り禁止すべきであると考える。しかし、人の立ち入ることの不可能でありかつ漏洩のない土中、天然の堅牢な洞窟あるいは岩石層無人島など放射性廃棄物の処分の可能な場所の調査発見には努力すべきであろう。」

 狭い国土、地震多発国、地下水の分布、人口密集・・・核のごみの土中埋設は今後も現行どおり禁止すべき・・・ここにあげられている物理的、社会的背景は今もそのままです。変わったことといえば、核廃棄物の量が格段に増えたことでしょう。

 当時、海洋投棄がすすめられていたのは、単に国際的規制がなかったこと、そして(おそらく)もっとも安上がりな処分法だったからだと思われます。さらに、核推進の二大組織であるIAEA(国際原子力機関)とICRP(国際放射線防護委員会)が、それを支援するような勧告を出しており(それにもとづいて、上のような検討が行われた・・・でもこの勧告案そのものはまだ探し出せていません。ご存知の方、教えて!)。日本も1955年から1969年にわたって、主に伊豆半島の海域で海洋投棄を行っていました。

 それが、なぜ「禁じ手」だった地下埋設処分に切り替わったのか?

 これもまた、単に、廃棄物の海中投棄を禁じる国際条約「ロンドン条約」が成立したからです(1972年、発効は1975年)。廃棄物の海洋投棄による海の汚染が深刻化し、早急な規制が求められていたため、高レベル放射性廃棄物の海洋投棄はすぐに禁止されました。低レベル廃棄物は当初、許可制でしたが、1993年までにはすべての放射性廃棄物の海洋投入が禁止されています。

 でも、日本の取組は遅れました。政府がロンドン条約を批准したのは1980年、それから廃棄物処理法施行令の改正で廃棄物の海洋投入を全面禁止した2007まで、おそらくいろんな形で海洋投入を続けていたと思われます。なぜなら、日本の廃棄物処理法では放射性廃棄物を除外していたし、この分野で騒ぐ市民運動もー私が知る限りーなかったので、やりたい放題。

 原発は廃棄物処理の方法がいまだに見つからない、やってはいけない事業です。

 それに加え、TMI事故(1979)やチェルノブイリ事故(1986)も起きていたし、海洋投棄の「禁止」は原発から足を洗ういい機会でした。ところが、産官学ー特に学者ーは、「絶対ダメ」だった核の地下埋設へと180度方針を転換する中で、平気で前言をひるがえし、「地下埋設は安全」といい始めたのです。公共事業は自浄能力ゼロの分野であり、市民が監視しておかないと何でもありの社会だということを頭に入れておきましょう。

 なお、学者の中でもまともな人もいます。

核ごみマップは「科学的でない」 立石新潟大名誉教授が講演

07/30 05:00 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/122514?rct=n_major

【豊富】幌延深地層研究センター(宗谷管内幌延町)で研究されている高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の地層処分をテーマにした全国交流会が29日、同管内豊富町で2日間の日程で始まった。初日は新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)が講演し、政府が28日に公表した、核のごみの最終処分に適した地域を示す「科学的特性マップ」について「科学的とはいえず、国民の理解が得られるとは思えない」と批判した。住民団体「核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会」などでつくる実行委が主催。立石名誉教授は、東京電力柏崎刈羽原発の安全管理について新潟県に助言・指導する専門家会の委員を務める。

 

 とにかく、日本に「学者」「学会」というものが存在するなら、いいかげんに原発にも核ごみ埋設にもノーを言って欲しい。2017.8.4

 

 

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「災害科学研究所」が作った「核のごみマップ」

 経産省の「核ごみマップ」が各地に波紋を引き起こしているようです・・・

<核のごみ>最終処分場 東北は太平洋岸中心に「好ましい特性」

20170729日土曜日http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170729_71023.html

 経済産業省が28日公表した原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分に関する「科学的特性マップ」によると、東北は太平洋沿岸を中心に最終処分の候補地になり得る地域が存在する内容となった。内陸の火山周辺や日本海側の油田など鉱物資源がある地域は「好ましくない」と位置付けられた。東北分は地図の通り。「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」として適地に分類された面積が最も広いのは岩手県で、海岸から約20キロの地域は全て「輸送面でも好ましい」と最適な地域に色分けされた。宮城県は東北電力女川原発(女川町、石巻市)が立地する沿岸北部を中心に「輸送面でも好ましい」に分類された。青森県は原発の使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクル施設の立地を背景に、国から「最終処分地としない」と確約を得ているものの、沿岸の広い範囲が最適地となった。東京電力福島第1原発事故の被害に遭った福島県でも適地が示されたが、世耕弘成経産相は「福島には負担をお願いしない」と候補地選定から除外する考えを示した。
 マップの要件・基準作りに携わった東北大災害科学国際研究所の遠田晋次教授(地震地質学)は「下北半島から福島県沿岸に至る太平洋岸には安定岩盤がある場所が多い。日本海側は地盤の隆起速度が速い所や油田があり、適さない場所が目立つ」と説明する。ただ、適地とされた地域にも不確定要素はあり、遠田教授は「マップはあくまで目安。活断層は地表の情報を基に考慮されており、新たに見つかる可能性もある。処分場の立地には地下の詳細な調査が必要となる」と指摘する。
海岸から20キロ、最適な地域
 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の科学的特性マップは、活断層の周辺や火山の中心から半径15キロの範囲などを「好ましくない特性があると推定される」地域とし、オレンジ色で塗った。油田やガス田、炭田がある地域も将来、掘り起こされる可能性があるため「好ましくない」に分類し、銀色で塗り分けた。一方、火山や活断層が周囲になく、地層や地質が安定していると期待される地域を「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」として適地に分類し、黄緑色に塗った。船による搬入に適した海岸から約20キロの範囲を「輸送面でも好ましい」とし、最適な地域として緑色で表示した。

 

 マップと記事を見ると、「東北の核ごみ処分場は岩手へ」と言っているように思えるけど・・・・。そして、この発表で誰もが「えっ?」と思うのが、「海岸から20キロの範囲は好ましい」という部分でしょう。あの東北大地震がもたらした巨大な津波は、海岸近くに巨大建造物ーー原発や核・公害施設ーーを作るのは危ないという教訓を与えたと思っていましたが、それがまったく生かされていない。それどころか、しかも、このマップ作成に協力したのは、311後に設立され、地震・津波予測技術や防災研究などに取り組んでいるという「東北大災害科学国際研究所」(http://irides.tohoku.ac.jp/outline/history.html)のセンセイというから、さらに驚き。

 この研究所のサイトには、「地震・津波・洪水などの自然災害を対象とした防災に関する研究・開発を行う研究開発部門と防災研究成果を社会に普及するための活動を行う研究成果普及部門の2部門で構成され」「研究開発部門には地震地域災害、津波学、災害ポテンシャルの3研究分野が、研究成果普及部門には、地域減災実践学と東北地区自然災害資料室の2研究分野がある」とありました。つまり、「防災」を目的にできた研究が、「安定岩盤」などという言葉を振りかざして、核のごみの地下埋設策に協力しているわけで、その矛盾と倫理観のなさに言葉を失います。

 もちろん、彼らは国から今後の研究資金を約束されているのでしょうが、国に丸がかえされた研究機関など何の存在意義もありません。まともな研究機関だというなら、あの311地震が自然界では起き得ない四連発地震だったという「意味」を探求してみんかい。・・・それにしても原発ムラ、こんなところにまで手を回しているとは。2017.8.1

 

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非科学的、好ましくない「核のごみマップ」

 前記事の続き。経産省は7月28日、使用済み核燃料などを埋め立てる「適地」を示した「核のごみマップ」を発表しています。各紙が報道していますが、下は朝日新聞の記事。全国地図しかあげていないので、地域別の地図は元サイトからご覧ください。

 

国土の3割、核のごみ処分場に「好ましい特性」経産

20177281503http://www.asahi.com/articles/ASK7X0QTGK7WULBJ015.html

 原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下深くに埋める最終処分場の選定に向け、経済産業省は28日、処分に向いた特徴を持つ可能性がある場所を示した全国地図「科学的特性マップ」を公表した。火山活断層、炭田などがなく、船による輸送もしやすいといった条件を満たす「好ましい」地域は、国土の3割に上った。経産省は今後、処分場に関心がある自治体が現れれば、詳しい調査への協力を申し入れる方針だ。

 最終処分場は、使用済み燃料を溶かしてガラスと混ぜた固化体を300メートルより深い地下に埋める「地層処分」をする。ガラスや容器が数万年で溶けても、放射能が地表に影響しないレベルに下がる0万年は閉じ込められるよう、地下水や地盤の変化などの影響が少ない場所を探す。地図は、これまでに公表されていた活断層火山、地盤などの情報をベースに、日本全国を4色に色分けした。火山から15キロ以内や活断層の近くなど、地下の安定性の観点から好ましくないと推定される地域をオレンジ色、地下に石油や天然ガス、石炭などがあって将来採掘される可能性がある地域を銀色にしている。これらの「好ましくない」地域以外のところを、「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」として緑色に塗った。緑色の地域のうち、海岸線から20キロ以内は「輸送面でも好ましい」として、さらに濃い緑色に強調した。面積の割合では、オレンジ色と銀色を合わせた「好ましくない」地域と、緑色、濃い緑色の地域がほぼ3分の1ずつだった。濃い緑色がある自治体は、全国の自治体の半数以上の約900に上り、東京や神奈川、愛知、大阪など大都市圏も含む。経産省は「未知の断層も含め、実際の選定では個別に地質調査していくことになる」とした。

経産省は今秋から、全国で説明会を開くとともに、濃い緑色の地域の自治体を重点に、処分場のリスクや必要性について対話活動を続ける。20年ほどかけて候補地を絞り込む方針だ。ただ、事故を起こした東京電力福島第一原発がある福島県と、処分場を造らないことを歴代政権と確認している青森県の自治体には、協力を働きかけないとしている。処分場の選定をめぐっては、原子力発電環境整備機構NUMO)が2002年から自治体を公募。07年に高知県東洋町が調査に応募したが、住民の反対で取り下げた。その後、応募する自治体は現れず、国は15年に方針を改定。地図を示した上で、国から調査を申し入れることにしていた。(東山正宜

 

 利益を得ているのは一握りの原発屋なのに、リスクは全国民に押し付けようというわけです。なんてったって、「処分に向いた特徴を持つ可能性がある場所」「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」「未知の断層も含め、実際の選定では個別に地質調査していく」など、可能性とか要調査という言葉が飛び交っている限り、このゾーニングはまったく非科学的。前記事で書いたとおり、すべてが「政治」の中で決まってゆくよ、という意味しかありません。しかも、海上輸送を前提にしているということは、港湾・道路整備という公共事業が伴うというわけで、現在あるいは将来、港湾整備計画とあわせ、後背地に処分場などの計画がある地域は要注意です。

 止める方法ですか? とりあえずその地域の自治体で、「核ごみ関連廃棄物持込・処理禁止条例」などを作ることですね。今ある環境基本条例に、放射性廃棄物や指定廃棄物、高濃度放射性廃棄物などを書き込むことも可能です。もちろん、その前に「核発電」って一体何なのか、ということをもう一度おさらいし、住民の間で知識を共有することが必要でしょう。そうです。ごみ焼却炉と同じ対応が必要。最後に頼りになるのは地方自治体。経産省も環境省も、自然保護や住民の安全など何も考えておらず、「どうやって住民をだまくらかして、出てくる核ごみを目に見えないように処理できるか」しか頭にないことを知っておきましょう。ただし、知事や市長が元官僚とか企業関係者の場合、首のすげかえが必須です。2017.7.30

 

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全土を核ごみ処分場に

 何度も先延ばしていた、高レベル放射性廃棄物最終処分場の「適地」を、このほどようやく政府が発表しました。ただし概要だけで、地図の発表はまたもや先送りです。高レベル核のごみは毒性がなくなるまでに十万年もかかるという代物。それを埋めるための適地を、センセイたちが、時間をかけて「科学的に」検討した結果だから、よほど選びぬかれた地域だろう・・・と考えますが、さにあらず。フタをあけてみると、「日本全土の七割超が適地」となっていました。そんなことだろうと思っていましたが。

 

核のごみ:処分場候補白紙 国土7割超「適地」佐賀・玄海は不適 政府調査

2017.7.15 https://mainichi.jp/articles/20170715/ddm/001/010/192000c

原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で、地質学的な適否を推定するために政府が策定中の「科学的特性マップ」の概要が明らかになった。国土の7割以上が適地とされた一方、町長が処分場受け入れに前向きな姿勢を示した佐賀県玄海町は、地下に石炭が豊富で将来採掘の可能性が否定できないため「好ましくない」とされた。東京湾沿岸から千葉県中央部一帯も天然ガス田があるため適地から外れた。【岡田英、宮川裕章】

 玄海町の岸本英雄町長は昨年4月の毎日新聞の取材に、同町が適地とされた場合は「町民説明会を開き、国と協議したい」と受け入れに前向きな姿勢を示した。しかし、町のほぼ全域が石炭埋蔵地とされ、適地から外れた。現時点で受け入れに前向きな意向を表明している自治体は他になく、同町を「有力な候補地」(電力会社幹部)とする見方もあったが、候補地選びは振り出しに戻った格好だ。マップは日本地図を適性の度合いに応じて4種類に塗り分ける。火山から15キロ以内▽活断層付近▽鉱物資源が豊富−−などに一つでも該当すれば、「好ましくない特性があると推定される」に区分され、適地から外れる。鉱物資源が「好ましくない」のは将来、地下資源が採掘された際、放射性廃棄物と知らずに掘り出されてしまうことが懸念されるため。玄海町には九州電力玄海原発があるが、政府関係者は「不適なのは処分場についてで、原発の安全性に問題はない」と説明する。このほか、核のごみの処分技術を研究する日本原子力研究開発機構の施設がある北海道幌延町の一部も、油田の存在を理由に適地から外れた。地元には最終処分場へ転用されかねないとの疑念もあった。政府は近くマップを公表し、9月ごろから自治体向けの説明会を実施する方針。その後、数年かけて複数の候補地を選び、(1)文献調査(2年程度)(2)概要調査(4年程度)(3)精密調査(14年程度)−の3段階で建設場所を最終決定する。自治体は、最初の文献調査を受け入れるだけで最大20億円の交付金を得られる。

 ■解説

絞り込み、難題 : 核のごみの最終処分場がないことは、「トイレなきマンション」と言われる原発のアキレスけんだ。今回の科学的特性マップはその解決に向けた第一歩となるが、今後、国土の7割超を占める「適地」の中からどのように候補地を絞り込むかこそが難題だ。国は2002年から最終処分場建設に向けた調査を受け入れてくれる自治体を公募してきたが、実現しなかったため、15年に安全性などを科学的に検討した適地から国が複数の候補地を選んで受け入れを打診する方式に転換した。国はマップ公表後、全都道府県を回って説明会を重ね、自治体側の意向を探りながら候補地選定を進めたい考えだ。しかし、マップで適地とされたのは国土の7割超に及び、ここから特定の場所を選ぶのは容易ではない。最終処分場を受け入れない確約を歴代政権と結ぶ青森県や、「受け入れがたい」とする条例を持つ北海道など、既に拒否を表明している自治体もある。自治体が受け入れを容認しても、住民の強硬な反対が予想される。07年に唯一、建設に向けた調査の受け入れを表明した高知県東洋町では反対運動が起き、頓挫。原発への賛否にかかわらず最終処分場は必要である以上、国は丁寧に説明し、国民全体でこの問題を考える必要がある。【岡田英】

 

 活断層、火山、地下エネルギー資源のあるところ以外はどこでもOKだとなると、一番可能性があるのは、今ある処分場(一廃でも産廃でも、廃止処分場も)を転用する方法です。そして、「候補地の絞込み」とは、その地域がいかに金を欲しがっているか、住民を仕切る地元ボスがいるかにかかるはず。早い話が、「受け入れてくれればどこでもいい」という意味だから、これまで原発や焼却炉、処分場などを受け入れてきた地域は、社会的条件が代わらない限り、またもや核のごみの受け皿になりかねません。

 ところで地下の天然ガス石炭などの埋蔵地を除外しているのは、「地下資源が採掘された際、放射性廃棄物と知らずに掘り出されてしまうことが懸念される」からだそうですが・・・これって、恐ろしい未来を物語っていませんか?

 つまり;

★今後も石炭、石油、天然ガスなど温暖化の原因とされている石油系資源を使い続ける(再エネはお飾り)

★地下の核ごみを監視するシステムなど、最初からまったく考えていない(責任はとらない)

★なので、いったん埋めてしまえば、放射性廃棄物がどこにあるのかわからなくなる(その方がありがたい)

 ・・・後は野となれ山となれ。この究極の無責任体制が原発推進側の理論です。もともと、国民や政府、裁判所が「正気」なら、廃棄物処理が不可能な産業など決して許さなかったでしょう。しかし、二つの原爆に震え上がり、アメリカの属国になってしまった今の政府・財界は、「核発電」にノーと言えない。それどころか、自前の核兵器開発に野心を見せているし、あるいはアメリカの核廃棄物を引き受ける条件で、その開発を認めさせる気かもしれません。戦争する国、戦争を反省も清算もしてこなかった国は、なんだってやるのです。2017.7.27

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「鎮火」したのに線量アップ!福島県の森林火災

 5月10日午後、浪江町の森林火災は「鎮火」したと発表されましたが、線量は跳ね上がっています!

 福島県の線量モニタリング結果(https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ps-kukan-monitoring.html)によると、

〇浪江町井出地区の林野火災は平成29年5月10日15時05分に鎮火となりました。 

〇浪江町井手地区の林野火災について(第12報)【平成29年5月12日】

 5月5日より火災現場である十万山近傍3箇所に可搬型モニタリングポストを設置し、連続測定を実施しております。可搬型モニタリングポスト及びサーベイメータによる測定結果は、昨日と比較して変動はありません。従前より火災現場周辺に設置してあるモニタリングポストでの空間線量率の測定結果については、火災前と比較して大きな変動はありません

 昨日(5月11日)における十万山近傍での大気浮遊じん(ダスト)のセシウム137の測定結果は、0.80〜15.55 mBq/m3の範囲でした(これまでの最大値は5月8日の7.63mBq/m3この原因については、現時点で判断することはできませんが、今後、これらのデータと林野庁主導で実施する動態調査の結果を踏まえ、有識者の意見を聞きながら、火災による周辺環境への影響の評価を行う予定です。なお、既設モニタリングポストに設置してあるダストモニタにおける変動は、確認されていません。

 つまり、鎮火後、線量はこれまでの最大値の2倍になっているのです。おそらく、火災で発生した微粒子のうち、比較的大きくて重いものが周辺に落下し始めているのではないでしょうか(PM2.5は非常に小さいため、もっと離れたところまで飛散する)。雨が降ると、雨に混じって落ちるし、今後も被ばくには十分注意が必要です。

 なお、火災現場周辺の既設モニタリングポストの測定値は、火災前と比較して「大きな変動はなし」、既設ポストのダストモニタの変動も「確認されていない」というのは腑に落ちません。双葉町の石熊公民館では「機器調整中」であきらかに欠測があった模様だし、そこが8日には7.63mBq/kgという最大値を記録しているからです。資料はこちら↓

林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第12報)  [PDFファイル/695KB]

また、過去の資料も一括してあげてありました!
過去の公表資料

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第11報) [PDFファイル/642KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第10報) [PDFファイル/624KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第9報) [PDFファイル/605KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第8報) [PDFファイル/629KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第7報) [PDFファイル/617KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第6報) [PDFファイル/567KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第5報) [PDFファイル/519KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第4報) [PDFファイル/436KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第3報) [PDFファイル/686KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第2報) [PDFファイル/874KB]pdfアイコン

 林野火災現場周辺の放射線モニタリングの結果(第1報) [PDFファイル/480KB]pdfアイコン

※なお、第13報については、5月13、14日の結果を取りまとめ、5月15日(月)に公表いたします。

 

 これは当ブログの読者のみなさまや、市民が圧力をかけて下さったからではないかと思います(ありがとう!)。とにかく行政には、「不都合な情報は隠す」という悪い癖があり、市民がうるさく言って矯正する必要があります。いずれにしても、線量が収まるまで、火災が正式に収束したとはいえず、行政は定期的に記者会見するなどして、市民の注意を喚起する必要があります。だって、福島県は、放射能汚染を恐れて逃げ出した人々を呼び戻したいんでしょう? だったら、事実を隠すんじゃなく、事実を知らせるという、最も根本的なサービスをすべきです。2017.5.13

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森林火災、やはり線量は上がっていた!福島県、メディアのウソばれる

 浪江町の森林火災で、セシウムの線量が上昇していたことを、福島県がようやく「白状」しました。産官学による「火消し」作戦の失敗が証明されたわけですが、この記事は地方版、しかも有料(こういう重大な記事さえ有料ー毎日新聞のせこさ)、また、火災によって発生したPM2.5はかなり長期間、大気中を漂うので、引き続き注意が必要です・・・どうぞ拡散をお願いします。

 

浪江・十万山の山林火災 放射性セシウム3〜9倍に上昇/福島

会員限定有料記事 毎日新聞2017510日 地方版 福島県

https://mainichi.jp/articles/20170510/ddl/k07/040/020000c

東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域に指定されている浪江町井手の十万山で起きた山林火災で、県は9日、周辺3カ所で8日測定した大気中を浮遊するちりの放射性セシウム137の濃度が前日の約3〜9倍に上がったと発表した。 県放射線監視室によると、浪江町井手のやすらぎ荘が1立方メートルあたり3・59ミ…

 とりあえずここまででアップしときます。後からまた追加します。2017.5.11

・・・で、追加。福島県放射線監視室は、この森林火災発生以来、毎日報告を出していましたが、その第9報に決定的なことが記されていたのです。

林野火災現場周辺の環境放射線モニタリング状況等について(第9報)

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/215419.pdf

一方で、十万山近傍での大気浮遊じん(ダスト)のセシウム137の測定結果は、1.357.63 mBq/m3の範囲であり、この原因については、現時点で判断することはできませんが、今回の山火事の特殊性である落葉の堆積層への火の浸透に加え、ヘリの運行にも支障を来すような西寄りの強い風が終日観測されていることなどにより、測定地点の周辺の土ぼこりや焼却灰の舞い上がりの影響も否定できません。今般のダストについて組成成分の詳細調査を実施するほか、林野庁等が動態調査の実施に向けた調整を進めており、これらの調査結果や専門家の意見も参考にしながら影響を評価してまいります

 

 明記こそしいませんが、「この原因については」との文言から、この測定結果が異常に高いこと、関係者はその原因解明が必要だと考えていることがわかります。ちなみに、測定結果は地図とグラフにもはっきり示されていました(登山口付近が異常に高い)。

 ……ところがっ! 現在、この9報は「お探しのページを見つけることができませんでした」なのです。第1〜第9までどこを探しても出て来ない。代わりに出てくる第10報は、お定まりの「変動はない」との中身。

 私たちはフクイチで、ある教訓を学びました。

 「原発事故など、深刻な公害が起きると、責任を問われる立場にある人間・組織は一致団結して事実隠蔽に走る」という公式があることです。その公式の正しさがまたもや証明された形ですが、今後のこともあるし、行政機関が、公式発表を隠蔽するという悪習を許してはなりません。特に福島県に住む人々にとって、正しい情報の入手は死活問題です。たくさんの方が福島県に電話し、これらの情報を公開するよう求めてほしいと思います。福島県庁の連絡先はこちら↓

福島県庁 代表 Tel:024-521-1111 E-mail:kouho@pref.fukushima.lg.jp

2017.5.11

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浪江町森林火災、朝日新聞の伝え方

 浪江町の森林火災について、ブログの読者から、「各新聞者の報道を調べてみました。見落としもあると思いますが、朝日新聞はゼロでした」という情報をいただいてびっくり。紙ベースの報道のようですが、私は新聞をとっていないのでチェックしようがなく、ネット記事を検索したら…四本でした。

 最初の記事は火災3日目。「線量に変化はない」ことをイメージづけるのがねらいか?

帰宅困難区域で火災、3日目に ヘリから散水 福島

2017511841分 東京電力福島第一原発事故帰還困難区域となっている福島県浪江町井手の山林で、429日夕に火災が発生し、3日目の1日夕までに約20ヘクタールが燃えた。鎮圧状態になったが、自衛隊などによる消火活動を日没で打ち切り、2日朝から再開する。県災害対策課などによると、現場は立ち入りが制限されている帰還困難区域。けが人や建物への被害は確認されていない。周辺の放射線量に変化はないという429日夕に「煙が上がっている」との119番通報があり、県が消火活動を開始。一度は鎮圧したが、強風で再び燃え上がったため、内堀雅雄知事が同30日正午、陸上自衛隊に災害派遣を要請。1日夕までに県や隣県のヘリを合わせ、最大11機で上空から散水した。

 

 立入禁止の汚染山林20ヘクタールを焼き、陸自が災害出動するほどの火災、普通ならメディアが飛びつくビッグニュースですが、朝日はこの後、5日間も続報を出していません。多分、現場の記者はいっしょうけんめい記事を送ったはずですが、本社で「整理」されちゃったのでしょう。そして第二報はベタ記事扱いでした。延焼面積は当初の二倍以上になっているというのに。

帰還困難区域の山林火災が鎮圧 50ヘクタール焼く:朝日新聞デジタル

2017562157www.asahi.com/amp/articles/ASK566Q55K56UGTB00C.html 福島県浪江町井手の山林で429日に発生した火災について、浪江町と双葉町の合同災害対策本部は6日夜、「火災を鎮圧し、延焼の可能性がなくなった」と発表した。同本部などは完全な鎮火に向けて7日も消火活動を続けるとともに、早朝から自衛隊ヘリで現場を偵察する。

 

 朝日は、大本営発表を信じて「これで収束」と見たようですが、火災は同日中に再燃し、ネット上の危機意識も強まったのです。これを受けて(おそらく)政府とメディアが「デマ対策」方針を整えた5月9日(火災十日目)未明、朝日も「まだ鎮火せず」と報道しています。

福島)風、乾燥… 浪江の山林火災10日、まだ鎮火せず:朝日新聞デジタル

2017590300digital.asahi.com/articles/ASK586CYWK58UGTB00X.html 茶井祐輝、長谷文 浪江町の帰還困難区域で起きた山林火災は、発生から10日目となる8日になっても鎮火に至っていない。強風と大気の乾燥が一因だ。県は放射線モニタリングポストを臨時に増設したが、常設のポストも含めて8日までに目立った数値の変動はないという。浪江町などの対策本部は火災発生翌日の430日、火の勢いが収まった「鎮圧」状態になったと発表。だがその後、強風で再び延焼。対策本部は今月6日に再び「鎮圧」と発表したが、8日夕までに鎮火していない。県災害対策課は「積もった腐葉土を消火活動が長引く理由に挙げる。ヘリから散水された水が山林の表層を消火しても、より深い部分で火がくすぶり続け、再び表層も燃え始めてしまう。風がそれに追い打ちをかけるという。福島地方気象台によると、浜通

 「数値の変動はない」「積もった腐葉土」という文句を入れるのが義務になったわけですね。でも、この記事、「雨でも降らない限り、鎮火できない」と言っているのに等しい。なお、春先の山火事はいわば「恒例」で、全国的に火災予防が呼びかけられるのもこの頃。東北では、宮城県栗原市、岩手県釜石市、福島県会津坂下町でも火災が起きていました。

消えぬ山火事、浪江は11日目 釜石は鎮圧めど立たず:朝日新聞デジタル

2017592148 www.asahi.com/articles/ASK5951G1K59UTIL01Q.html

 福島県浪江町の山林で429日、山火事が起き、11日目の9日までに約50ヘクタールが焼けた。現場は東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域内で、県は放射線モニタリングポストを増設して放射線量を監視しているが、目立った数値の変動はないという。同日夜現在も鎮火していないが、けが人はいないという。県などによると、強風や空気が乾燥している影響で、一時的に火の勢いが収まっても再び発火する状況。腐葉土が積もっている場所では、ヘリによる散水で地表を消火しても内部で火がくすぶっているという。消防などによると、内部被曝を防ぐマスクのフィルターを安全な場所で交換するため、消防隊員は4時間をめどに交代している。このほかにも89日、東北地方で山火事が相次ぎ、岩手県釜石市の山林で8日に起きた火災は9日夜現在、鎮圧のめどが立っていない。午後3時現在で約400ヘクタールが焼け、炎は民家から300400メートルまで迫った。陸上自衛隊などのヘリ14機が海水を散布する消火作業を続けた。2地区の136世帯348人に避難指示が出された。(後略)

 

 釜石の山林火災はわずか二日で400ヘクタールを焼失しており(当初100ヘクタールと報道された)、浪江町の焼失面積50ヘクタール(一週間)と比べて大規模すぎ、原因は他にあるのかなんて考えてしまいます。

 とにかく、風下にあたる地域では被ばくに注意を。小さいお子さんは西日本に一時避難させるのも手でしょう。2017.5.10

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福島・浪江の火事でネットにデマ情報ーー広がる言論統制

 浪江町の森林火災で「放射能拡散」に対する不安を表明することは、市民の当然の権利であり、表現の自由です。ところが政府やメディアは、これを「デマ」として火消しにやっき。個人のサイトや地方紙の記事をとりあげ、「裏づけのない誤った情報」などと断言しているのが産経新聞・・・なかなかひどい。

 

福島・浪江の火事でネットにデマ情報「放射性物質拡散」 雁屋哲さんや地方紙も言及

 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域になっている福島県浪江町の国有林で発生した火災をめぐり、インターネット上で放射性物質の拡散や、健康不安をあおる無責任な書き込みが相次ぎ波紋を広げている。一部地方紙はコラムで「放射性物質飛散」の可能性を指摘。実際は裏付けのない誤った情報だったが、福島県が火消しに動かざるを得ない状況となっている。

 4月29日に発生した山林火災は浪江、双葉両町に広がり、少なくとも約20ヘクタールを焼いた。発生1週間を過ぎた6日に鎮圧状態となった。ただ、火災をめぐっては、ネット上で不確実な情報が今も飛び交っている。短文投稿サイトのツイッターでは、火事により「(放射性物質が)花粉のように飛散する」といった危機感をあおる書き込みが多数見られる。福島第1原発を視察した主人公が鼻血を出すなどの描写で物議を醸した漫画「美味しんぼ」の原作者、雁屋哲さんは自身のサイトに「福島で森林火災・強風により放射性物質飛散中」と題する文章をアップした。和歌山県南部を拠点とする地方紙「紀伊民報」は2日付(1日発行)の1面に、石井晃編集局長のコラムを掲載。知人経由の情報とした上で「放射能汚染の激しい地域で山火事が起きると、高濃度の放射線物質が飛散し、被ばくの懸念がある」とし、「政府も全国紙も、この現実にあまりにも鈍感過ぎるのではないか」などと記した。

 しかし、火災現場近くの3カ所に設置されている可搬型の放射線監視装置(モニタリングポスト)では、火災の前後で空間線量率に大きな変動はない。福島県の担当者は「双葉町や大熊町などに設置されている既存のモニタリングポストでも大きな変化は確認されていない。周辺環境に影響が及んでいる事実は一切ない」としており、県のホームページでも、こうした事実関係を説明している。東京工業大の松本義久准教授(放射線生物学)は、「原発事故直後、植物の表面に降った放射性物質(セシウム)は、風雨で流されたり、落ち葉や生え替わりによって多くが土壌に蓄積されたりしているとみられる。植物内部に放射性物質はほとんど残存していない状況といえ、草木が燃えることで放射性物質が風で拡散されるということは考えにくい」とする

 今回の騒ぎを受け、紀伊民報は9日付(8日発行)の同紙に「数多くの批判を頂いた」「陳謝する」などとしたコラムを掲載。石井編集局長は産経新聞の取材に、「除染のできていない山林で火災が起き、放射性物質の拡散を心配して書いた文章だった。だが不安は杞憂(きゆう)であり、それによって多くの方に心配をかけ、迷惑を与えたことは申し訳なく思っている」と語った。

 

 デマ「確定」の根拠は、記事にもあるとおり、「福島県の担当者」が(誰や?)、「周辺に影響が及んでいる事実は一切ない」と言っているから。東工大の先生の「植物内部(何、これ?)に放射性物質はほとんど残存していない」「草木が燃えることで放射性物質が風で拡散されるということは考えにくい」との主張は、ぜひ今度、実証データを示してほしいもんです。だって、汚染が土壌に蓄積しているとしたら、現地の空間線量がなぜ高いままなのか説明がつかないんじゃないの?

 

<浪江林野火災>高線量 消火活動阻む

2017年05月06日土曜日http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201705/20170506_63005.html

下山後、被ばく線量のチェックを受ける消防隊員=2日、福島県浪江町

 発生から1週間となった福島県浪江町の山林火災は、東京電力福島第1原発事故の被災地での災害対応の難しさを浮き彫りにした。現場は立ち入りが厳しく制限される帰還困難区域とあって消防団を投入できず、高い空間線量も消火活動の足かせとなった
 延焼場所は最寄りの公道から徒歩で1時間半程度かかる山間部。住民の避難が6年以上続いていることもあり、山道は手入れが行き届かない。当初は倒木が消防隊の行く手を阻んだ。周囲には福島県内でも比較的、空間線量が高い地域が広がる。地元消防や自衛隊は火勢だけでなく、放射線防護にも注意しながらの活動を強いられた。
 隊員はそれぞれ、通常の活動服の下に白い防護服を着用。放射性物質の吸入を防ぐためのマスクは息苦しく、疲労感を増幅させる。下山後には、休憩前に被ばく線量を計測する列に並ばねばならなかった。近隣から駆け付けた消防ヘリも特殊な装備で臨んだ。航空隊を派遣した仙台市消防局は「空間線量、個人の被ばく線量の計測器を携行させた」と話す。態勢にも制約が生じた。消火活動の主力を担うはずの消防団は今回、装備不足などから投入が見送られた。地元消防本部の大和田仁消防長は「機動力とマンパワーに優れているのが消防団。連携できないのは痛手」と嘆いた。福島県は原発事故後、避難区域で山林火災の訓練を重ねてきた。だが、出火の想定は民家に近い里山。担当者は「ポンプ車が入れない山あいでの活動は想定していなかった」と語った。

 

 また、紀伊民報の「被ばくの懸念」とした記事に、批判が集まったというのは、何らかの圧力では、というのが大方の受け取り方でしょう。だからわざわざ産経が取材し、「不安は杞憂」ということを記事にしている。何を以って杞憂(心配ない)というのか、そっちの方がよほどデマ記事だと思いますが。ま〜、福島県人の民心をなだめるために、一刻も早く「収束」したいのでしょうね。だから、火災も「6日には鎮圧状態」としている・・・まだ「鎮火」してはいません。こうした「火消し」そのものが、市民の疑心暗鬼を招き、政府、福島県、メディアへの信頼はさらに失われるのです。2017.5.9 

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7日めも燃え盛る福島山林火災 放射能拡散の危険性はありうる

 原発事故ではセシウムだけでなく、数多くの放射性核種が発生し、排出されました。そのうち微小粒子化したものは大海を超えて地球規模で拡散し、近くの山林や田畑に降り積もったものは、そのまま長い浄化の時を待っていました。しかし、森林火災は、眠れる放射性物質をゆり起こし、再び汚染を拡散するのです。そのことをちゃんと伝えているのはロシアの報道機関だけ。

 

7日めも燃え盛る福島山林火災 放射能拡散の危険性はありうる

スプートニク日本

福島第一原発事故による帰還困難区域の山林火災は発生から7日めとなった5日も燃えている。

福島県浪江町井手の国有林では消防、自衛隊による消火活動が続けられている。4日には自衛隊ヘリコプターなど12機が空から消火剤をまき、地上でも消防、自衛隊のおよそ240人が放射性物質からの防護服を着用して消火にあたったが、鎮火のめどはたっていない。チェルノブイリの森林火災の消火にあたったグリーンピースロシアの消防士、アントン・ベネスラフスキー氏は、次のように断言する。「火災中、セシウム137やストロンチウム90、プルトニウムのような放射性核種が空中に上がり、風によって運ばれる。これは動揺を掻き立てずにはいられない。それは、この不安定な原子を人々が吸い込み、内部被爆を被るためだ。」

福島県は火災による周辺の放射線量に目立った変化はないと発表している

 

 これは、「チェルノブイリの森林火災」を何度も経験したロシア人消防士ならではの言葉。彼ははっきり「鎮火のめどは立っていない」と警告していますが、日本のメディアはあくまでも「線量に変化はない」。

避難区域の火災、発生1週間も鎮火せず 放射線量に変動なし 福島・浪江

煙を上げる福島県浪江町の国有林=5日午後(同町提供) 煙を上げる福島県浪江町の国有林=5日午後(同町提供)

 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域になっている福島県浪江町の国有林で4月29日に起きた火災は、発生から1週間の5日も、陸上自衛隊や県がヘリコプターなどで消火活動を続けたが、鎮火しなかった。県によると、焼失面積は少なくとも約20ヘクタールとみられる。けが人はおらず、周辺の放射線量に大きな変動はない。5日は早朝に煙が弱まっていたが、午後になって再び煙が立ち始めたという。現場は比較的放射線量が高い帰還困難区域のため、陸自や消防は防じんマスクなどを身に着けて活動した。水の入った袋を背負い、足場の悪い登山道を火元まで約1時間かけて登った。火災は4月29日夕に発生。県などが消火に当たり、いったん鎮圧したが強風で再び燃え始めたため、陸自に災害派遣を要請した

 

 それどころか、人力で水の袋を「火元」に運んだという意味不明なことをやっています。火元が判明していればヘリで集中消火すればいいのに、実際は大雨でも降らない限り手も足も出ないのでは。「鎮火のめどはたっていない」のはやはり事実か・・・

 最悪なのは、あくまでも「放射性物質拡散」の危険視を完全否定していう福島県。

浪江町の林野火災における放射線モニタリング状況等について - 福島県 ...

2017年5月2日更新www.pref.fukushima.lg.jp/sec/01010d/0502monitoring.html

 福島県浪江町の帰還困難地域において4月29日に発生した山火事につきまして、「放射能汚染の激しい地域では森林除染ができておらず、火災が起きれば花粉が飛ぶように放射性物質が飛散する」等といった情報がインターネット上に流れておりますが、火災現場周辺の環境モニタリングおいても火災の発生前後で空間線量率に変動はなく、林野庁による過去の山火事調査の結果においても、鎮火後に森林から生活圏へ放射性物質が流出する危険性は極めて低いとされており、現在、周辺環境に影響が及んでいる事実は一切ありません。詳しくは、関係機関が提供する下記の情報をご参照ください。

○福島県放射線監視室 空間線量モニタリング結果情報
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ps-kukan-monitoring.html

○原子力規制委員会 放射線モニタリング情報 全国及び福島県の空間線量測定結果

http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/area.html

○福島県環境放射能監視テレメーターシステム

http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/public/map/MapMs.html
○福島県放射能測定マップ

http://fukushima-radioactivity.jp/pc/

 ずらずらとあげてあるデータの結果は、どれも「線量に異常はない」のはず。そんなもの、見る必要なぞないわな。それに、これまで「放射性物質」など無関係だったはずの林野庁が、「過去の山火事調査」で突然、危険性が判断できるようになったというのも信じられん。・・・すべての関連機関は、「フクイチ事件などなんてもなかった」ことをアピールするために、福島県人を全員、呼び戻したいのです。そのためには、現地の危険性を裏付ける事実を報道してはいけない。森林火災のつど、周辺住民の内部被ばくの可能が高まることなど知られてはいけない。事故が収束していないという情報は海外に漏れてはいけない、東京汚染ピックは、各国のアスリートを、日本人同様汚染するために行われるのだということを察されてはいけない・・・ま〜、原発事故を起こした国は、こうして、「隠す」「だます」「しらを切る」のが日常になってゆくのです。2017.5.6

 

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